何時も運行の管理ご苦労様です。
一般貨物運送事業のトラックは、タコグラフ(運行記録計)を装着の義務化が平成26年から始まりました。(車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の事業用トラックに加え、車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上の事業用トラックについても)
今では、デジタコの導入率は6割を占めています。
そのデジタコがあと、1~2年で使えなくなったらどうしますか?
ですよね!
でも実際、あと数年で使えなくなってしまうのです。
では、どの様なデジタコが使えなくなるのか?
デジタコっといってもすべてではありません。
クラウド方式を使っているデジタコは要注意です。
初期のころのデジタコはカード式で、SDカードなどにデーターを保存して運行が終わった時点でカードを引き抜き、パソコンなどの端末を使ってそのデーターを取り出す方式が殆どでした。
いちいちデーターをカードから取り出さなければならないので手間がかかっていましたが、そのうちクラウド方式のデジタコが出始めました。
数年前、新城市の東名高速道で、観光バスに対向の乗用車が分離帯を乗り越えて追突した事故を覚えていますか、
その衝撃的映像が事故からわずか1~2時間でニュースに流れました。
これにより、クラウド方式のデジタコが話題になり、一気に浸透していきました。
このクラウド方式とは、デジタコの機器のSDカードに入力したデーターを小分けしてサーバーに通信をかえして送信しています。
この事故の動画も通信をとおして送られてきているので、バス会社はサーバーからデーターを取り出せば動画も直ぐに見られたという事です。
今回、使え無くなるのは3G回線を使用しているクラウド方式のデジタコです。
そもそも、3G回線とは
クラウドの前にサーバーから説明します。
サーバーとは簡単にいうと、データーを溜めている場所、コンピュターと言ってもよいです。
このサーバーで個々のデーターを預かるサービスをおこなっている場所がクラウドと言います。
だから、デジタコの場合は、トラックからのデーターや動画をクラウド側のサーバーに通信サービスを使って預けている訳です。
そして、自社のパソコンで見たいデーターを取り出すという仕組みです。
問題となるのは、トラックからクラウド側へデーターをおくる通信です。
現在の移動通信システムは主流は、4Gから5G回線に変わろうとしています。
Gとは、何でも世代という意味らしいのですが、数字が大きいほうが通信速度が速い、すなわち、沢山のデーターが送れるということです。
携帯でいうと、
2G デジタル方式でメールやネットに対応したmovaなど
3G 通信速度が高速化して動画が見られる様に、ガラケーのFOMAなど
4G スマホで動画などの回覧や高速型ゲームに対応
5G 更なる高速通信速度でオンラインや自動運転化などを目指す
で、現在のデジタコは3G回線を使用しており、その3G回線が廃止になるという事です。
だから、ガラケーも使え無くなります。
デジタコのデーター通信は各、携帯会社の通信サービスを使っています。
多分、1車あたり、通信料をデジタコ機器代金とは別に請求されています。この3G回線の終了は各電話会社によってまちまちです。
・ソフトバンク 2024年1月末 終了
・au 2022年3月末 終了
となっており、自社のデジタコはどこの携帯会社の通信を使っているか確認が必要です。
これからのデジタコの主流はどうなっていくのか
こうなると、早くて来年の春には3G回線が終了となって使えなくなるデジタコが発生してくるということです。
もし、au回線を使用していれば早急に次のデジタコを検討しなければいけません。
たしかに、これから先、5Gが主流となってくると、どうせ変えるなら5G対応のデジタコが有力で視野にいれるべきではないでしょうか、
その辺は詳しくないのでメーカーに確認しなければわかりませんが、
最初、デジタコを導入する時に回線が終了して使え無くなることなどユーザーは誰、一人として予想していたでしょうか、
こうなると、5G対応が求められ、次世代の5G回線により、デジタコはもっと進化するのではないでしょうか。
今ではドライブレコーダーや、ETC連動は当たり前になっています。
これからは、5Gの高速回線になってくれば他にも色々な機器との連動が考えられます。
例えば、アルコールチェック、アルコールインターロック、点呼、などの運転者の管理や、運転者の拘束時間や体調の管理、また、車両の燃費や消耗品、保険や、許可書の管理等、等、も考えられます。
そこで、私が言いたいことは、これからの機器を選ぶ場合、この様な機器やサービスが連動して使えるデジタコを選ばなければいけないということです。
現在、アルコール検知の機器は○○製、IT点呼の機器は△△製、デジタコは□□製で将来、連動性があれば良いのですが、果たして現在のところでは交互性はありません。
でも近い将来、各分野の機器の交互性が求められてくることは間違いありません。
トラックの自動運転化も進歩しており、この自動運転には5G回線が必要不可欠と言われています。
この3G回線廃止により、3G回線を使っていた運送事業者は買い替えを余技されます。次の機器を検討するにあたってこの様なことも視野にいれるべきではないでしょうか。
問題になることは
そして、チョット残念なお話があります。
今、コロナ禍の影響により、半導体が全世界中で不足しており、今や、半導体は電子機器や自動車など色んな場所で使われています。また、営業車以外の白ナンバー所有の事業者も点呼やアルコールチェックが2022年から義務となり、そのアルコールチェッカーでさえ、品薄になる状態です。
半導体の供給が急速に改善されない以上、難しい問題でもあります。
最後に
と言う訳で、我々運送事業者には予想もしていなかった3G問題です。
デジタコの機器も助成金の対象になってはいるものの、台数がかさむとかなりの高額になってしまいます。
やっと、リース期間が終わったと思ったら、また、リースを組まなければならない頭が痛いところです。
次回のデジタコの機器導入は先を見過ごした検討が大事かもしれません。