白ナンバーと青ナンバーの違いと、アルコールチェック義務化について

何時も安全運転ご苦労様です。

千葉県、八街市で起きた白ナンバートラックの運転者の飲酒より、幼い児童が亡くなった事故は記憶に新しいところです。

この事故をうけ、検察庁が動きだしました。

それは、一定台数を保有する企業や団体は運転前点呼や、アルコールチェックを2022年4月までに義務化する改正案を発表しました。

我々、青ナンバー車両、いわゆる運送事業者は2011年に義務化となっていますが、かなり遅れての義務化です。

今回は改正のポイントと管理に付いて話したいと思います。

今回、義務化となる内容と、関係する事業者とは?

何と言っても、今回の改正に至ったのは八街市の飲酒運転による事故です。

事故を起した運転者は当然のことながら弁解の余地はありません、この運転者の飲酒運転を見過ごしてしまった会社側にも責任が有ります。

義務化となったのは車両台数が5台以上、乗車定員が11人以上の車を保有している事業者とあります。

関係してくるのは、トラックばかりでは有りません。
会社の営業マンが使用する営業車両も関係してきます。

関係する事業者とは
物の生産またはサービスの提供が事業として行われている個々の場所
商社・銀行・工場・商店・旅館・代行業など

よって、改正されたポイントは

・安全運転管理者は社員が運転した前後に酒気帯の有無を目視で確認する
・アルコール検知器を使って確認する
・確認して記録を1年間保存する
・正常に機能するアルコール検知器を常備すること

となっており、安全運転管理者がこれらの業務を実施しないことで都道府県公安委員会は安全運転管理者の解任命令を出すことができ、5万円以下の罰金が科せられます。

白ナンバーと青ナンバーの違いとは

今回の事故で報道関係では運送会社、運転手と報じられていましたが、実は白ナンバー車両でした。

まあ、一般の人からすれば白でも青でもトラック、特に大きめのトラックは運送会社が保有するトラックと思われている人も少なくありません。

まず、ここで白ナンバー車と青ナンバー車の違いを説明する必要があります。

それは、荷物を運んだ事に対して対価、いわゆる運賃を貰う事が認められているのが青ナンバー(営業車)となり、逆に、認められていないのが白ナンバー(自家用車)です。

ここで整理します。

運賃を請求できる事が認められている→青ナンバー(一般貨物運送事業)

運賃を請求できる事が認められていない→白ナンバー(自家用車両)

この八街市で起きた事故のトラックは、自社の製品を運ぶ自家用車両であり、我々、運送事業者からすれば、この辺りは正確な報道をお願いしたいところであります。

ここでは、一般貨物運送事業者が保有する車両を営業車と言い、それ以外を自家用車と言います。

そして、営業車と自家用車では、ナンバープレートの色だけでなく、運転者の管理や規則についても大きな違いが有ります。

運行管理者と安全運転管理者の違い

まず、運送会社を営む場合、運行管理者がいなくてはいけません。
この運行管理者は、国家試験に合格した者しか与えられず、運行の責任者でもあります。

この運行管理者は運行の安全に関しては会社の社長より権限があります。

一方、自家用車を保有する会社は一定の台数がある場合は安全運転管理者を選任しなければなりません。

この安全運転管理者は運転経験が3年以上の者で、自動車の本拠の位置を管理する公安委員会に届出をすれば後は講習のみで安全運転管理者になることが出来ます。

この事故を起した会社はこの安全運転管理者すら、いなかったようです。

運行に関する違いとは

白ナンバー、青ナンバーともに車両を運転する運転者は道路交通法については同じですが、運行については違いが有ります。

時間の制約があると言ったほうが正しいのかも知れません。

大ざっぱに言うと、その日に車庫を出て、1日の仕事を終えて車庫まで帰ってくる時間を運送業界では拘束時間と言います。

この拘束時間は基本、13時間、その中に1日に運転運転できる時間が基本、9時間と言う決まりの他に色々な制約があります。

自家用車の場合は、労働基準法で定められたこと以外は時間的な決まり事はありません。

罰則の違いは?

発端となった今回の事故では、この会社は車両の保有台数が一定の数以上あるので安全運転管理者を選任していなければいけないところ、その安全運転管理者が選任されていなかったとの事で5万円以下の罰金だけです。

民事、刑事上の問題はあるものの、罰則自体は軽いものと思われます。

しかし、運送会社になると、この様な重大事故を起した場合、特別監査が入り、違反事項により、車両停止命令がなされ、あげくの果ては運送許可が取り消しになってしまいます。

もし、同じ様な事故を起しても、自家用車両を保有する会社は直接的に会社の運営事態には影響は無いといっても言い過ぎではありません。
一方、運送会社では、車両停止や認可が取り消されてしまうと会社の営業が出来なくなってしまいます。

それぞれの監視する機関は、

運送会社には運輸支局という機関があり、業務違反が認められた場合、監査が入ります。
普段は各地区のトラック協会が運送会社を定期的に違反がないか巡回指導をしています。

もし、巡回指導で重大な違反があった場合は、運輸支局への速報が行われ、監査が入る仕組みになっています。

自家用車をある一定車両保有する会社には、安全運転管理者を選任することは先に話しましたが、この安全運転管理者の管理下は警察署です。

本来、この安全運転管理者の業務は運送会社の運行管理者と同じ内容なのですが現在、義務化されておらず、絵に描いた餅状態です。

まとめ

警察庁によると、現在、安全運転管理者を選任しなければならない事務所は全国に約34万件あり、その管理下にあるドライバーは約782万人いると言われています。

今回のアルコールチェックの義務化は事故からは早い段階で改正案が発表されましたと報じられていますが、果たしてどうでしょうか、

また、義務とありますが、違反した場合の罰則は安全運転管理者の解任命令を出すことができ、5万円以下の罰金だけで済んでしまうことも疑問に思うところです。

飲酒運転による事故で幼い児童が亡くなった。事故を起こしたトラックは白いナンバープレートだった、我々運送業を営む事業所は緑ナンバーが付いており、乗務前、乗務後には点呼を行う事が義務付けられ、もちろん、アルコールの摂取の確認も行っている、しかし、白ナンバーのトラックには点呼どころかアルコールの摂取の確認も義務になっていない

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