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【こんな経験ありませんか?】
- 寝たはずなのに、昼間の眠気が取れない
- 午後になると、強い眠気に襲われる
- 運転中に意識が飛びそうになることがある

それ、単なる「疲れ」ではないかもしれませんヨ!。
実は、睡眠中に呼吸が止まる【睡眠時無呼吸症候群(SAS)】という病気が、あなたの眠気の正体かもしれません。

記事下にその治療内容が載ってますヨ!
SASとは?──眠っている間に呼吸が止まる病気
SAS(Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が何度も止まることで、身体が十分に回復できなくなる病気です。
代表的な特徴は:
- 10秒以上の無呼吸や低呼吸が1時間に5回以上起こる
- 大きないびき、寝汗、熟睡感のなさ
- 起床時の頭痛や集中力の低下、日中の強い眠気
原因の多くは、喉の奥が塞がって空気の通り道が狭くなる”閉塞型”。肥満傾向の人、中高年の男性に多いとされています。


自覚しにくいからこそ、見落とされやすい
SASの厄介なところは、症状が”睡眠中”に起こるため、自分では気づきにくいことです。
- 家族や同僚に「いびきがすごい」と言われた
- 睡眠時間は足りているのに眠気が取れない
- 居眠り運転しそうになったことがある
これらは、立派な”SASのサイン”です。

実際に起きた事故──眠気が引き起こす重大トラブル
🚍【大型乗合バス横転事故】(令和4年8月22日 名古屋市北区)
深夜に高速道路を走行中、乗合バスが横転。複数名が負傷しました。後の報道で、運転手はSASの診断を受けていたことが明らかに。
🚛【大型トラック追突事故】(令和4年11月10日 神奈川県厚木市)
高速道路での多重追突事故。運転手が「直前の記憶がない」と証言し、慢性的な睡眠障害が疑われました。
どちらも、”たった一瞬の眠気”が取り返しのつかない事故につながっています。

より、前方に対する集中力の低下が原因です。

職業ドライバーは特に注意を──健康管理も「運転のうち」
トラックやバス、タクシーなど、長時間運転をする職業ドライバーにとって、SASは放置できない健康リスクです。
判断力や反応速度の低下は、自分だけでなく周囲の命をも脅かします。
国土交通省やトラック協会も、健康起因事故防止のために「SASスクリーニング検査」の実施を推奨しています。



▶️ SAS対策のステップと助成制度
Step1:自宅でできる簡易検査を受ける
まずは、寝ている間に呼吸の状態を測る「簡易検査キット」でチェック。
- 検査は1泊分、装着して寝るだけ
- 呼吸の乱れや酸素濃度の変化を記録
- 結果は医師が判定
Step2:精密検査(PSG)で診断確定
必要に応じて、病院で”終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)”を実施。
- 脳波や呼吸、筋肉の動きなどを詳細に測定
- SASの重症度を客観的に評価
Step3:治療開始(CPAP療法など)
中〜重度の場合は、CPAP(シーパップ)療法が一般的。
- 鼻マスクをつけて空気を送り、気道を開けた状態に保つ
- 睡眠中の呼吸停止を防ぎ、深い睡眠を確保
- 健康保険が適用され、月5,000円程度の自己負担で使用可能

🏢 トラック協会等による助成制度はある?
都道府県のトラック協会や運送業団体では、SAS対策の一環として以下のような助成制度を設けている場合があります:
- 簡易検査キットの無償配布(スクリーニング検査)
- 集団スクリーニングの費用補助
- 健康起因事故防止研修との連動
助成の有無や内容は地域によって異なるため、所属する協会・団体へ確認することをおすすめします。

✅ 最後に:眠気は身体からの危険サインです
「たまたま眠かっただけ」「前日に寝不足だったかも」
そんなふうに見過ごしてしまう“眠気”が、命を左右する場面につながることもあります。
SASは、対策すればリスクを大きく下げられる病気です。
まずは、自分の眠りと向き合うところから始めてみませんか?


自動車運送事業者における 睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル(国土交通省自動車局)