この章に入る前に「過積載」は違法行為であることを念頭におかなくてはいけません。。
何故なら過積載には重大な事故をひき起こす危険性や、社会的にも影響を及ぼすことになります。
ここでは、過積載による危険性や、過積載が及ぼす社会的影響、罰則などについて学ぶ必要があります。
1 過積載とは、
過積載とは、貨物自動車に規定量以上の積載物を積んで走る違法行為です。
過積載は一般的に重量を指します。
貨物自動車にはその車両の最大積載量が記載されており、その積載重量を超えて走った場合過積載となります。
車両の後部に貼ってりますが、車検証の欄に記載されています。
ここで注意することは、最大積載量分の荷物を積んだ場合、過積載になる可能性があるということです。
例えば、12tの荷物があります。その荷物を最大積載量12tのトラックに積んだ場合、過積載になりうるという事です。
要するに、車検証に記載してある車両総重量とは、「車両重量」+「最大積載量」=「トラック+人」+「荷物」です。
この、車両重量には、スペアータイヤや、燃料などが含まれていません。なので実際の車両重量は、車検証の記載の数字より大きい、すなわち重いということです。
ましてや、工具箱などに個縛の際の備品が載っていればさらに重たくなってしまい、実際の最大積載量が少なくなってしまいます。
2 過積載による事故要因と社会的影響
車両にはタイヤなどに掛かる荷重や、ブレーキを掛けたときの制動力などのが制限値を超えるとそれぞれの性能が落ちてしまいます。
それにより、事故が発生する危険度が高まります。
では、過積載が原因で起きた事故映像を観てみましょう。
ANNニュースより
これは、中国で起きた事故ですが、過積載のトレーラが下り坂で乗用車に追突したまま止まり切れず走っています。
この様に過積載だと、
- 重くなると慣性が大きくなり、制動距離が長くなる
- 追突時の衝撃力は重量とスピードにより大きくなる。
- 重量が多くなるとブレーキへの負担が多くなり、ブレーキライニングの過熱によりフェード現象が起きやすくなる。
などのリスクがあり、この動画では、過積載の車両が長い下り坂を下るには、ブレーキを酷使することになり、フェード現象が起きたことによる事故の様に見られます。
また、制動距離は重さと速度が関係してきます。
下に、最大積載重量が10tの車両に過積をした場合の制動距離のグラフがあります。
このように同じ80km/hで走行した場合、18t(180%増し)だと、急ブレーキをかけても20メートルもの差が出てしまいます。
トラックが起す事故で追突事故は非常に多い事故形態です。その要因の中には、過積載も含まれていることを忘れてはいけません。
また、過積載は事故の要因だけで無く、社会的にも影響を及ぼします。
まず、
- 過積載により走行時の燃費が悪化し、排気ガスの俳出量が増え、大気中の環境汚染に影響がでます。
- 車両のタイヤに悪影響ばかりでなく、橋や、道路に対してダメージを与えます。
- 低速ギヤを使うため、エンジン音などの騒音がでやすい、また、渋滞の原因となる
などが挙げられます。
過積載は事故への危険性や、社会的にも大きな影響を与えてしまいます。
3 過積載による罰則
まず始めに過積載は法律違反であると話ました。
よって、罰則が命じられます。
その前に過積載取締りの動画があるので観て見ましょう
QテレNEWSより
取り締まりにより、過積載が発覚した場合、当事者の運転者はもちろん、その運送会社や、過積載を要因させた荷主に対しても罰則が発せられます。
では順をおって見てみましょう。
1 運転者に対しての罰則
取り締まりにより、過積載が発覚した場合、免許証への違反点数と罰金が課せられます。
罰金や、違反点数は、その割合によって異なるので下の図を確認下さい。
そうです。
10割以上になると、反則金では無く、罰金となり6ヶ月以下の懲役又、10万円以下の罰金という刑事処分に値します。
2 運送会社への罰則
それに加え、車両を保有する運送会社へも罰則が科せられます。
過積載が発覚した事業所へは車両の使用が制限されます。また、悪質な場合は、運送事業者としての資格が取り消されたり、運行管理者の資格返納など、ドライバーより厳しい措置が待ち受けています。
車両が停止されます。その間、ナンバープレートが外されます。
初回 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | |
5割未満 | 10日車 | 30日車 | 80日車 | 200日車 |
5割以上10割未満 | 20日車 | 50日車 | 130日車 | 330日車 |
10割以上 | 30日車 | 80日車 | 200日車 | 500日車 |
日車とは、違反行為が発覚した場合、行政処分が行われる、すなわち車両停止の単位で、車両×日にちです。
この停止車両は、違反した車両に関係なく通達がきたり、同じ期間に数台同時ってこともあります。
そうです。
停止車両はこちらから選ぶことはできません。すべて運輸支局指示です。
また、違反点数制度により、10日車を1点として、3年間累積されていきます。
この、累積点数が50点を超えると事業停止の措置があり
3 荷主に対しての罰則
また、荷主側から過積載をさせた場合も荷主の責任も追及されます。
過積載と知りながらドライバーに運送を指示した場合、警察署長から再発防止命令が出されます。 再発防止命令に違反した場合には6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます。
悪質な荷主に対しては荷主勧告もあるうるぞ
過積載をさせない為には
その前に何故、過積載をするかです。
それは、故意と過失があり、
故意でおこなう場合、
・低運賃により不足分を過積載で補う
・大量輸送で効率化を図る
などがありますが、過失によって起きてしまう場合は、
・重量計が無いなどで積載重量が確認できない
・経験不足で積みすぎてしまう
などがあります。
中には、荷主からの要請で過積載になるケースもあります。
そういう場合は即、荷主勧告しなければいけません。
また、過積載が多い品目は土砂、産業廃棄物、材木、鉄くずなどのバラ物などが多い傾向があります。
下に過積載の実態が書いてある記事があります。
では、過積載を防止するにはどうしたら良いのでしょうか。
まず、
①自分の車両の最大積載量の確認
②積込む荷物の重量の確認
③重量計の使用
④重量を記録簿に記入し、管理する
まとめ、
過積載は重大な事故を引き起こす危険な違反行為です。
よって、罰則は当のドライバーは元より、運送会社、荷主まで関係してきます。また、道路の損傷を早めたり、環境問題へも影響を及ぼすことを忘れてはいけません。
- 過積載は違法行為、よって重い罰則がある
- 過積載は重大な事故を引き起こす危険性がある
- 過積載は道路の損傷、環境問題に影響あり
- 過積載を防止するには、測定と積載量の確認及び記録