暑い日が続きます。
ドライバーにとってこの季節は睡眠不足や、体調管理が難しい時期で過酷な時期でもあります。
特に、睡眠不足は、事故へのリスクが増えやすく、この季節は、如何に良質な睡眠が摂れるかがカギとなります。
ところで、運送業界の2024年問題もこれっと言った解決策が無いのが正直な話です。
そこで国土交通省は「トラックGメン」を立ち上げました。
トラックGメンって何?
Gメンと聞くと、我々の世代だと「Gメン75」って刑事ドラマを思いだします。
そもそも、Gメンとは、その問題を専門に調査する人をGメンと言います。
よく聞くのは「麻薬Gメン」などで、麻薬犯罪を調査するGメンだから。麻薬Gメン、
なら、トラックGメンならトラックを調査するGメンか、対象はトラックなのか?
いえいえ、トラックGメンとは、国交省が輸送荷主先の適正化を計るための組織で総勢、162名の体制で、この、7月21日に創設され、各、地方運輸支局に配属されました。
いわゆる、運送業者が低運賃の値上げ交渉や、待機時間の減少の要請をしても改善の無い荷主、元請け業社をこの、トラックGメンが実態を調査し、違法性が確認された場合、最終的に荷主勧告、荷主名公表までこぎつけることが目的とあります。
背景にあるものは、
トラックGメンが作られた背景には、業界の2024年問題があります。
残り、1年を優に切ったにも関わらず、目に見えて進まない労働者、いわゆるドライバーの賃金や労働環境の改善策が思う様に進まないのが現状です。
原因は荷主に対しての運賃交渉、待機時間や、附帯作業の消滅などへの交渉力が弱いことにある。
その要因には、運送会社が増えすぎたのが一番ではないのか、1999年の規制緩和から運送会社が一気に増えました。
現在において、ドライバーは不足してるが、皮肉な話だが運送会社の数が多すぎてまとまりが無い業界になってしまたのだ。
だから、荷主に対しての運賃交渉も足並みが揃わず、自分のところだけ荷主に対して良い顔する、いわゆる「抜け駆け」する運送会社が多かれ少なかれいるのが事実です。
私が思うこと
ではなぜ、自分の首も絞めてまで抜け駆けする業社がいるのか?
それは事業拡大が目的だ。
荷主は、少しでも安く運んでくれればそれで良い、物を運ぶことに付加価値などあまり関係ないと言っても良い。
欠損や、破損がなければ商品のように「安かろう悪かろう」はあまり関係ないからだ。
だから、荷主は安い運送業者に仕事の依頼をし、運賃の高い運送業者へは必然的に依頼の数が減ってくるのが一般論なのだ。
話は元にもどって、こんな背景からトラックGメンが創設された訳だが、現在、国交省は、荷待ちや、違法性がある依頼などを強制した荷主に対して「働きかけ」⇒「要請」⇒「勧告・公表」の措置を設けており、現在、「働きかけ」が82件、「要請」が4件(令和5年5月まで)とある。
では、これらの荷主は改善されたのだろうか、私はそうは思わない、少しは改善したかもしれないが「まぁこのくらいなら」で終わっているのではなかろうか。
逆に「勧告・公表」までされた企業が一つもないことが不思議だ。
また、国交省は「標準的な運賃」も合せて推進しているもののネーミングからして弱い代物なのだ。
なぜ、はっきり「標準運賃」とうたえ無いないのか、運賃を国が定めることに問題があるのなら、得意の議員立法とやらで改正すれば良いのでは、
私が言いたいのは、トラックGメン創設も決して悪くない、しかし、まず適正な運賃が支払われるのが先決だと思う、現に、事業主はドライバーの賃金を上げてやりたいのは山々だが、無い袖は振れない状態だからだ、
運送会社は零細企業が多く、その半数は赤字決算だと聞く、適正な運賃が支払われれば必然的に労働時間も少なくて済むし、ドライバー離れにも歯止めがかかるのではないだろうか。