トラックの屋根の雪下ろし作業は大変危険です。

何時も安全運転ご苦労様です。

先日、こんなニュースが載っていました。

1月4日午後、北海道札幌市東区の駐車場でトラックの屋根の除雪作業をしていた45歳の男性が、脚立から転落しケガをしました。

事故があったのは札幌市東区丘珠町の運送会社の駐車場です。

1月4日午後4時30分ごろ、運送会社の駐車場で従業員の45歳の男性がトラックの箱型の屋根の雪下ろしをしていたところ、使っていた脚立から転落しました。

男性が自ら「除雪をしていたら脚立から落ちた」119番通報し、左足首骨折の疑いで救急搬送されました。

当時、男性はトラック後部にある高さ約90センチの”リフト”と呼ばれる台の上に、高さ1メートル80センチの脚立を立て除雪作業をしていて、約2メートルの高さから転落したということです。

警察は、男性が足を滑らせた可能性があるとみて調べています。

と言う訳でまず、他人事では無いということです。

年も明け、これからが冬が本番です。今後、このような労災事故が起きないような手たては無いのでしょうか。

まず、トラックに積もった雪は何故、下ろさなければいけないのか・・・

トラック、特に箱車のトラックの荷台上に雪を乗せて走っているトラックを街中で見かけます。

このまま走っていると色々な支障が起きてしまいます。

まず、走行中に屋根に積もった雪がカーブなどで落下して最悪の場合、歩行者を直撃したらっと思うとゾッとします。

雪の固まりを落下させると道路交通法違反・・・

このようなことから荷台から落ちた雪の固まりは、荷物などの落下物と同じ扱いになり、「道路交通法71条4号 積載物の転落・飛散防止措置義務」違反違反にとらわれ、「3カ月以下の懲役もしくは5万円以下の罰金」、「10万円以下の罰金」が科せられます。
それが原因で事故が起きた場合は過失責任が問われます
今の世の中、ドライブレコーダーが普及しているので犯人がすぐ特定されてしまいます。

ウイング車は故障の原因にも・・・

ドライバン型のトラックなら屋根が開放しないので問題がありませんが、ウイング車はそうはいきません。
あまり屋根に雪が積もってしまうとウイングを開閉する際、中央部分に雪が溜まってしまい開閉が出来ない場合もあります。

無理をすると、ウイングのシリンダー取り付け部分に負荷がかかり過ぎ、破損する可能性があります。

また、積もった雪の重さは想像以上に重く、油圧系のトラブルやポンプを駆動させるモーターにもかなりの負担がかかります。

ウイング車でなくても屋根の骨組に負担がかかって最悪、折れてしまうかも知れません。

庫内が結露して荷物が濡れる・・・

チョット話がそれますが、屋根に穴が空いていないのに庫内の荷物が濡れたことは無いだろうか、これは、屋根に雪が積もったまま、長時間放置していると、空気がウイングの骨組などの冷えた部分に霜となり、日中になって溶け出すことが原因です。

こんな訳で雪がトラックの屋根に雪が積もると色々な弊害を及ぼすのです。

では、どうやって屋根の雪を下ろすのが良いのでしょうか・・・

今回、北海道でおきた労災事故の当事者はトラック後部にあるリフトとあるが、多分テールゲートのことだろう、この上に脚立を立てて屋根に上がろうとしたのではなかろうか。

不安定なテールゲートの上に脚立を乗せての作業は危険きわまる行為です。
特に、脚立の天場は足掛け禁止の行為です。
本来、高さ2メートル以上の高所作業には足場の作業台を組むか落下防止の安全帯を設けなければならないのです。

しかし、作業台や安全帯の設置は現実的か・・・

某、運送会社のブログに荷台の雪下ろしの記事が載っていました。画像には立派な安全帯が掛けれる装置が設けてあり、ウイング車の雪下ろしの風景が載っていました。

日本海側の比較的積雪の多い地域です。
安全帯の設備を基礎から作れば多分、200万円から300万円くらいはかかるのではなかろうか、
雪の多い地域ならともかく、いや、多い地域でもこれだけの設備は今の運送業者にはかなりの設備投資となってしまいます。

もし、安価でつくるなら・・・

安く作る方法があります。
それは海上コンテナを利用して安全帯や足場の基礎にする方法です。

中古の海上コンテナなら安価で安定感も良く、直接支柱を建てたり、足場の土台になります。
そして、海上コンテナ自体、倉庫になります。
もし、その場から移動させるのにもクレーンで吊ればOKです。

この記事を読んでいる事業主の人で、もし、安全帯の設置を考えているのなら検討してはどうでしょうか。

次に荷台に上がる手段は・・・

もともと現在の箱車は屋根の上の雪下ろしの作業は想定外であり、荷台屋根に上がる為の構造になっていません。
キャビン横に付いているキャブ梯子も殆どお飾りで、もし、キャビンの上に上がったとしてもそこから荷台の屋根に上がることは至難の技です。

次に思いつくのは荷役作業に使うフォークリフトです。
リフトにパレットを差込み、パレットの上に人を乗せて屋根に上げる行為です。

フォークリフトでパレットなどの上に人を乗せて移動する行為は原則禁止ですが、ゴンドラを設けて一定の条件を満たせば良いようです。

でも実際のところは・・・

ここまでは四角四面な話ばかりしてきましたが、実際のところはどうであろうか、

最終的には梯子を使って屋根に上がる方法が一番ノーマルな方法かも知れない。
労働安全衛生法的な問題はさておき、高さが十分確保できる梯子を荷台の屋根のすべりにくい部分に掛け、危険を十分に配慮して作業をしなければならない。

なぜなら、アルミ板の上に積もった雪はすべりやすいからである。

いずれにしろ、冬はドライバーにとって普段の作業の他に危険な重労働にちがいない。

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