あの、『はとバス』が死亡事故、原因はドライバーのインフルエンザによる

皇居や東京都内を観光する黄色いボディーカラーの誰もが知っている『はとバス』が追突死亡を起こしてしまった。

去る、12月4日午後6時すぎ 東京 大田区にある「はとバス」の本社営業所の37歳男性が運転するバスが東京都 新宿区で停車中のハイヤーに追突した。

そのはずみで後部のトランクを開けて作業をしていたハイヤーの男性運転手(52歳)が死亡した。

バスのドライバーは事故後、警察病院に搬送されインフルエンザにかかっていたのが判明した。

事故の原因は

事故を起こした運転手は自身の体調について事故の前日、少し風邪気味だったため、市販の漢方のかぜ薬を服用して午後8時に寝たらしい。

事故の当日は午前5時に起床し再度、漢方のかぜ薬を服用して出勤した。
その後も若干、かぜ気味だと感じていたが、それ以上の症状だとは思わず、警察病院での検査で「初めてインフルエンザに感染している事が分かった」と話しているということです。

そして、事故については、「事故を起こす前後の記憶がなく、気が付いた時には街路灯に激突していた」と話しています。

運転者の運行状態は

事故をおこしたバスの運転手は前日の3日は公休で出勤はしておらず、現在のところは乗務状態には問題がなさそうです。

以前、はとバスで働いていた運転手によると、今回の事故はもちろんハンドルを握っていたバスの運転者の責任は重い。しかし事故の背景には、異常なまでに過酷なはとバスの労働環境があるという。

国土交通省が定めたルールだと、ドライバーの一日の拘束時間は原則13時間以内、運転時間は2日平均で原則、9時間という決まりがあります。

バスの場合、特に観光バスは所定の車庫を出発する時間の1時間前には出社し、おしぼりやポットへの給水など、出発前にやるべき事が沢山あり、2時間前に出社する人も少なくないらしいです。

また、帰社しても社内、外の清掃などもしなくてはいけません。
これも、人件費削減によるドライバーへのおおきな負担となっており、運行記録に載らない部分ではないでしょうか。

そもそも、点呼とは?

今回の事故は運行前の点呼時に運転者からの体調の異変の申し出、また、点呼実施者が運転者の体調の異常などの確認がなされていたかがキーワードになります。

そもそも、点呼とは?

運行管理者はこれから乗務しようとする、もしくは乗務終了したドライバーに対し基本、対面で点呼を行い、運行の安全を確保するために必要な指示を与える必要があります。

そのなかで運行前の点呼で行う内容としては

  • 車両の日常点検が確実に実施され、運行上に問題がないか
  • 呼気にお酒が残っていないか機具で確認する、
  • 疾病や疲労等はないか、十分な睡眠が摂れているかの確認

などが挙げられます。

根源にある今の現状

ここ近年は旅客、貨物での運送業界は人手不足が深刻な問題となっており、風邪くらいで休むことが難しいのが現状です。

たしかに、点呼時に『疾病や疲労等はないか、十分な睡眠が摂れているかの確認』とありますが本人からの申し出や、余程の重症でないかぎり運行管理者もドライバーを乗務させてしまうのが正直なところです。

本人も自分が休んでしまうと他の人に迷惑がかかってしまう、仕事に穴があいてしまうなど、なかなか、言い出せれ無い環境であったに違いありません。

今回の事故で自動車運転死傷処罰法違反でバス運転手の男性(37)が現行犯逮捕されましたが、もし、出発時にインフルエンザにかかっていることが分かれば本人や、運行管理者が瀬戸際で防げた事故だったかもしれません。

ここでも、少しくらいの体調の異常では仕事を休めれない、いわば、人材不足が招いた事故ではなかったでしょうか。

バス業界では憧れの『はとバス』、この様な大手の事業所でもこんな事故が起きてしまったのは考えさせられることです。
[rekuten-emosyon]

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