トラック運転手の賃金はいくらが妥当なのか

何時も安全運転ご苦労様です。

突然ですが、皆さんは、今の給与に満足していますか?

安い!って声が聞こえてきそうですが、その裏には、労働時間が長いわりに少ないのが挙げられるのではないでしょうか。

では、この長い労働時間を一般の人と賃金形態を同じにしたら一体、運転者の給与はどのくらいになるのか考えてみたいと思います。

 

法定労働時間と時間外労働時間とは

その前に労働時間について学ぶ必要があります。

そもそも労働時間とは、法定労働時間時間外労働時間に分かれます。

法定労働時間とは、労働基準法で定められた時間のことを指し、これは、運転者だろうが、工場で働く人も皆、条件は同じです。

ちなみに、法定労働時間は、1日8時間、一週40時間のことを指し、それを超えた時間が時間外労働時間(早出、残業)になります。くどい様ですがこれはどの産業も皆同じです。

※各会社によって労働時間が決まっており、それを所定労働時間と言います。
 なので、本来は、 時間外労働時間=労働時間-所定労働時間 です。



よく間違われているのは、トラック運転者は1日13時間と思われている人も少なくありません。

その時間外労働時間には、基本給とは別立てで割増賃金を会社側は払う責任が有ります。

また、この法定労働時間には、休憩時間は労働時間とはみなされず逆に、1日の労働時間が6時間を越える場合は45分、8時間を越える場合は1時間の休憩を会社側は与えなけらばいけません。

チョットややこしいことは、記録計の休憩時間は労働時間ではありません。しかし、改善基準告示において拘束時間(1日13時間)には含まれるのです。ややこしい!

早くいうと、(1日の労働時間)=(勤務時間)-(休憩時間)  です。

これを理解しないと来年から始まる「運転者の時間外労働時間年間960時間」ってのが理解出来ません。

これで労働時間、時間外労働時間が分かったはずです。

一般者の残業時間とトラック運転者の残業時間との比較

トラック運転者は労働時間が長いとされ問題視されています。

2024年4月以降は、残業時間が最大で年間960時間内に納める必要があります。

ちなみに一般労働者は、最大で720時間です。これも少しおかしな話ですが・・・

実際、全国平均とトラック運転者の月の残業時間の平均はどのくらい差があるのでしょうか。

全国平均月残業時間は 13時間(厚生労働省令和3年)

トラック運転者月残業時間 36時間(全国トラック協会令和3年)

っとなっており、トラック運転者が全国平均より労働時間が長いことが伺えます。

要するに、労働時間が長いわりに給与が少ないってことです。

要因は、1時間あたりの賃金が安いことにあります。

では、全国平均と同じ基本賃金で今の残業をしたら幾らになるのでしょうか。

時間外労働時間(残業)代の計算を学ぶ

残業代を計算するには、1時間あたりの賃金(時給)を調べる必要があります。

少し面倒ですが、・・・。 面倒な人は飛ばして下さい。

 

計算式は、

時給 = 基本給  ÷ 月平均所定労働時間 の計算が用いられます。

すると、自分の1時間あたりの賃金が分かります。

ここで注意することは、基本給とはですが、所定労働時間(各会社によって違う)を働いたとき支払われるベースになる部分です。

この基本給には〇〇手当などは基本、含まれません。(例外あり)

例えば、基本給が25万円で、1ヶ月の所定労働時間が160時間だとすると、

250.000円÷160=1.562円 一時間の基礎賃金が1.562円となります。

下に自分の時給の調べるサイトを貼り付けておきます。
もしかして、自分の県の最低賃金を下回っているかもです。

 

月給から時給計算(賞与あり) – 自動計算サイト (calculator.jp)

全国平均とトラック運転者の基本給との比較

そもそも、トラック運転者の基本給は低い傾向にあります。

それは、基礎賃金を安く設定しているところが多く、あとは、歩合(残業・手当など)で上限を合せている運送会社が多いのです。

全国平均基本給 311.800円    時給1943円 (厚生労働省2022年賃金構造基本統計調査)

トラック運転者の平均基本給 203.700円 時給1.331円 (全日本トラック協会2021年調査)

となっており、時給が600円くらいの差があります。

 

なら、全国平均と同じ基礎賃金だったらって事になりますよね。

 

では、一般企業と同じ基礎賃金にしたら?

 

その前に、残業代ってこの基礎賃金に割増率を掛ける必要があります。

参考の為こうです。

残業1時間あたりの時間給(60時間まで)=時間給×1.25

残業1時間あたりの時間給(60時間超え)=時間給×1.50

深夜労働=時間給×1.25

休日労働=時間給×1.35

っとなっていますが、今回、一般労働者の平均基礎賃金なので、

時給、1.943×1.25=2.428円

1時間あたりの時間給は、2.428円ってことになります。

これに運転者の平均残業時間(36時間)をかけると、

2.428×36=87.408円(残業代)

月に残業代が87.408円が残業代です。

それに、全国平均の基本給を合せると、

311.800円(平均基本給)+87.408(残業代)=399.208円 となります。

これを見て、賛否あると思いますが、これには、手当や、ボーナス分が含まれていないので年収としてはもっと上がる可能性が大きいかもです。

 

最後に

今回は、トラック運転者の賃金割り出しを全国平均の基礎賃金で残業時間代を計算してみました。

これには、現状の運転者の平均残業時間で行いました。

運転者の平均給与は、33万~37万くらいとされています。

それと比べて399.208円という金額は1割弱から2割増しといったところです。
この、額が高い、低いはもちろん、運ぶ物や、トラックの種類によって様々なので一概に決めることは難かしいことです。

しかし、現状において運転者の基本賃金があまりにも低い事です。

せめて全国平均と同等の賃金設定で、時間外労働は、実残業時間で支払われることを願いたい。

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