何時も安全運転ご苦労様です。
最近というかよく、タイヤが地面から浮いて走っているトレーラーを見かけます。
これはご存知の人も多いと思いますが、「リフトアクスル」装置というものです。
日本では、日通商事(株)が開発して早10年以上にもなります。
最近では海上コンテナーシャーシーでもこのリフトアクスル装置を装備したシャーシーを導入しているところを見かける様になってきました。
今の現状ではメリットがありますが、ある条件がクリアできればデメリットのほうがが大きいかも知れません。
なぜ、リフトアクスル車を選ぶのか
まず、第一に高速道路料金が大型車並みになります。
車軸を浮かすことにより、大型車の3軸と同じ軸数になり、特大車が大型車の高速料金になります。
そうですね。
高速料金が40%減の節約になりますからかなりメリットは大きいです。
リフトアクスルの装置は構造上、エアサス車しか設定が無いものの、最近ではトレーラーもエアサス車が主流となっており、どうせエアサス車を買うなら高速道路料金が割安になるリフトアクスル装置がついた車両を導入する運送会社が多いようです。
車両代がリフトアクスルなしのシャーシーと比べて車両代金が100万円ほど割り高になりますが高速道路の利用頻度が高ければ直ぐに元を取れる計算になります。
軸数が多いということは地面から受ける摩擦係数が多くなり、燃費が悪くなってきます。
すなわち、タイヤの数が少ないほど転がり摩擦が減るので燃費が良くなり燃料代の節約につながります。
今では地球温暖化防止の問題もありますからね。
軸数といえば、トレーラーの軸数が多いとカーブなどの旋回時にかなりタイヤによじれが発生します。
リフトアクスル車ならトレーラーの軸が1軸となるので旋回時にタイヤに掛かる負担が激減します。
したがってタイヤの磨耗、とくに片ベリが抑えられます。
他のところでは良い部分ばかり書いていますが実はデメリットもあるんですよ。
リフトアクスルのデメリットとは?
それは制動力が劣ります。
地面に接地しているタイヤの数が少ないと燃費は向上しますが逆にブレーキを掛けた時、摩擦抵抗が少ない分、制動力は劣ってしまいます。
我が社では高速道路以外はリフトアップ禁止にしてますけどネ。
それと、リフトアップした車軸の場所にもよりますが、ホイールベースの寸法が変わって旋回能力が悪化して狭いところを曲がれなくなってしまう可能性もあります。
その場合はリフトダウンすれば良いわけですが。
あと、故障した時の問題もあります。
圧力センサーなどはコンピューター制御が多く、壊れると修理代が高額になる点もあります。
最後に言いたいこと
リフトアクスル装着車はオート設定にしておくと一定の加重(9.500kgメーカーによる)が掛かると他の車軸が下がる構造になっています。
この装置のリフトアップさせる仕組みはエアーブレーキなどに使われるチャンバーと同じものが使われており、このチャンバーが戻らないように不正改造して高速道路を利用する業者もいるようです。
こうした不正を行う背景にはあまりにも高速道路料金が高いことにあります。
運送業者があえてこのリフトアクスル装備のシャシーを購入する目的は第一に高速道路料金の節約です。
しかし、わざわざその為に地面に接地するタイヤの数を減らして走行すればいくら空車とは言え、とっさの時に必要となる制動力が衰えることは安全上問題が生じてきます。
一般道を走るリフトアクスル装着のトレーラーは殆どがリフトアップした状態で走っています。
せめて、路面状態が悪いときだけでもリフトダウンして走行したほうが良いのかも知れません。
コメント
開発したのではなく、国内で最初に採用したのが日通商事。
採用されたWABCOの製品です。ちなみに車軸はダイムラーだったはず。
お間違え無く。
初めまして、詳しいのですね、助かります。