何時も運行管理の業務ご苦労様です。
働き方改革が一般大手企業から段階的に2019年4月から施行開始となっております。
たしかに運送業界は2024年までにと猶予期間が与えられていますが、それほど先の話ではありません。
今からでも準備しておかなければ後で慌てることになります。
運送業界はこの「働き方改革」の3本柱である「労働時間の是正」にあたる残業時間の上限規制にあたる部分の割合が大きく、今から改善に取り組んでいかないと間に合いません。
これから一緒に学んでいきましょう。
目次
働き方改革の目的と達成のための3本柱
トラックドライバーは平均的な職業と比べて長時間労働、低賃金で休みたくても中々休が摂れないなどの悪環境が多い職種と言われています。
この働き方改革の目的は労働者、すなわちトラックドライバーにとって働きやすい職場、環境の改善、整備にあります。
その為の規制は以下のようなものが定められております。
・残業時間の上限規制
・正規、非正規労働者の賃金の格差解消
・多様で柔軟な働き方の実現
そして、会社にとっても労働力の確保と生産性向上を目的としています。
時間外時間(残業時間)が年、960時間に
トラックドライバーは長時間労働になりやすい環境にあります。
それは、一般の会社勤めの人と比べると、トラックドライバーは一旦、外へ出てしまうと管理が難しく、待機時間や交通環境などの外側からの影響を受けることにあります。
労働基準法では「基本労働時間」が1日の労働時間8時間、一週間の労働時間40時間が前提となっています。
よく間違えられるのは、1日13時間がトラックドライバーの労働時間と思われている社長さんが多く、労働基準法が定める基本労働時間は8時間です。すなわち、これを超える時間は時間外労働となります。
今までは、36協定が結ばれていれば1か月の規定の拘束時間内であれば問題無かったものの、今度の働き化改革によって一般企業は年間、時間外(残業)が720時間 と定められました。
そこで、今の運送業界の労働者不足を配慮してトラックドライバーは一般の会社員より緩めの年間960時間と定めました。
しかし、1か月の時間の上限規定は無く、多忙時などで月の時間外が80時間を超えたとしても年間を通して960時間を超えなければいまのところ大丈夫のようです。
この様に一般企業と比べるとまだまだ規制が緩い運送業界です。
年、5日は休ませることが義務化
昨年,2019年4月から始まった有給休暇を年、5日(有給休暇10日以上の付与者)は最低でも摂らせることが義務付けされました。
ドライバー不足により、よほどの理由がない限りトラックドライバーは休むことが難しいとされております。
中には、給料が歩合制になっており、1日でも休んでしまうと給料面で支障がきたすという理由で休まないドライバーもいます。
まずは、配車係の目を気にせずに有給休暇を申し出れる環境を整えなければいけません。違反した場合、1人につき30万円の罰則です。
正規社員とアルバイトは同一賃金
運送ドライバーにも正規社員や契約社員、また、定年を迎え継続で雇用されたドライバーとまちまちです。
要するに、同じ待遇の仕事をしているにもかかわらず賃金が正社員と非正社員が違うのはおかしいと言うとです。
そうですね。
ハマキュウレックス事件と長澤運輸事件がありました。
同じ仕事をしても正規社員と非正規社員と賃金が異なるのはおかしいと訴訟を起した事件でした。
ドライバーの賃金形態は基本給が低く設定されており、○○手当などの加算分で補っています。
この加算される手当て分も正社員と同じ待遇でなければいけません。
給与面以外の福利厚生などにも不合理な待遇差があってはならないのです。
時間外の賃金の割り増し
先ほど、時間外の話をしましたが現在では、時間外賃金は25%割増になっておりますが、さらに月60時間を超えた時間外労働への割増賃金はなんと、50%となります。
とかくトラックドライバーは待機時間や荷役作業の段取りの悪さなどで労働時間が長時間になりがちです。
「ウチは歩合給だから残業代は関係ない」とか「みなし残業で払っている」などの事業主の都合の良い賃金制度は改める必要があります。
働き方改革に向けて考えられる改善方法とは
2024年をめどにドライバーの働き方改革に向けて改善していかなければいけません。
まだ先の話しではありますが除々に進めていかなければ明日から直ぐに改善できる作業ではありません。
たしかに運送会社は零細企業が殆どで荷主に対して意見や要望を伝える力が弱いところにあります。
まずはデジタコなどでドライバーの運行時間を把握をすることです。
待機させられている時間や荷役作業に掛かる時間 を把握するなど、まずは正確なデーターを摂ることです。
後は、以下に挙げた具体例を参考にしてみてはいかがでしょうか。
・運賃は適正であるか検討し、低い場合は運賃交渉または荷主先の変更
・待機時間の減少を要望または待機料金を請求する。
・高速道路の使用頻度を上げ労働時間の短縮をる計る
・パレットごと輸送したりと荷役作業の効率化を計る
・トレーラーなどの大型車両の導入で1回あたりの輸送量を増やす
・複数の人員で1台をまわして時間短縮を計る
・中継基地で積み替えやドライバーの交代をおこなう
そして、取り組みに活用できる助成金もあります。
働き方改革に受けられる助成金
働き方改革と一言で言っても運送業界では人材不足が先にたち時間の短縮が大きな問題となってきます。
それには人材が入ってこない限り、大きな問題でもあります。
したがって、働き方改革に向けて人材を確保するための助成金があります。
高齢者の雇用で活用できる助成金
・65歳超雇用推進助成金
非正社員から正規雇用への切り替えで受けられる助成金
・キャリアアップ助成金
労働環境を改善で受けられる助成金
・職場意識改善助成金
実際、運送業界の執行までにはまだ時間があるものの、除々に整えていく必要があります。
まずは自社のドライバーの労働実態を把握して取り組んでいく必要があります。
お疲れ様でした。