何時も安全運転ご苦労様です。
この11月に車検に出した日野のトラックの中に、こんな紙が入っていました。
どうやら、リコールのようです。
内容は、
11月22日付けで日野自動車といすゞ自動車、トヨタ自動車は、駐車ブレーキ解除用工具(スパナ)が搭載されていないとして、リコール(回収・無償修理)を国土交通省へ届け出をしました。
そもそも、工具が搭載されていないことでリコールになるんでしょかねぇ、それに駐車ブレーキ解除用工具(スパナ)って何のことでしょうか。
駐車ブレーキ(パーキングブレーキ)の仕組み
こんなことがリコール対象になるとは、日野さんも前回のエンジン燃費改ざん不正でシビアになっているのかも知れません。
今回のリコールの内容はこの文面だけでは意味が分からない人も多いのでは無いでしょうか、
現在においてフルエアー方式の車両はブレーキのシューを動かすのにブレーキチャンバーという装置で制御しています。
後輪などは駐車ブレーキもブレーキチャンバーで制御しています。
大型車がパーキングブレーキを掛けるとプシューと大きな音を発します。これは、チャンバー内の圧を逃がして駐車ブレーキを掛けた音です。
駐車ブレーキを兼ね備えたものをスプリングチャンバーと言い、故障などでチャンバー内のエアー圧が下がるとスプリングの圧力が勝りロットを押し出してブレーキシューを広げる仕組みです。
詳しくは、「ナブテスコサービス」の動画を観てください。
それにより、ブレーキがかかった状態になります。
それを解除するには、チャンバー内のエアー圧を上げるか、強制的に解除するしかありません。
今回のリコールは、強制的に解除するための工具、スパナということです。
駐車ブレーキ強制解除方法
はたしてこの、駐車ブレーキを強制解除することはドライバーが行なうことが正しいかは疑問になることです。よって自己責任の上で作業する必要が有ります。
①チャンバー自体はブレーキドラムの裏側にあります。
画像はトラクターですが、大型車も同じ位置で上から写した状態です。
ブレーキチャンバー内のエアー圧が下がった時はスプリングが伸び、ロットを押し出した状態です。
この伸びたスプリングを戻すにはチャンバー側面に着いているリリースボルト②をチャンバーの頭に着いている③めくら蓋を外し中へ差し込みます。
このロットは先が鍵手になっており、90度回しスプリングで押された部分を引っ掛けます。
そして頭のナットを解除予用スパナで締め込めば強制解除は出来ます。
この作業はスプリングが強力なので結構力が要ります。出来ればスパナでは無く、ラッチェットレンチのほうがベストです。
駐車ブレーキ解除時の注意点
以上の作業を行うには危険が伴います。
まず、解除するとブレーキが効いていない状態になり、車両が動き出す危険性があります。
事前に輪トメなどの徹底が必要です。
ここまで説明しておきながら今更ですが、車両の下に入らないと出来ない危険な現場作業であり整備士や、レッカー車の知識ある人に任せたほうが良いかと思います。
以前に「三菱ふそう」は、リリース用のボルトが搭載されていない車両があることでリーコールが出ていましたが、今回の日野車のリコールって誰のための工具(スパナ)だったのでしょうか。