食品や、日常品など、殆んどの物が値上げになって消費者への負担がかかっています。
生産者は原材料費や、輸送コストなどの値上がりが原因と言っています。
たしかに、燃料価格が上がっているので運賃も上げてもらわないと、この先どうなることやら、
ここにきて、家庭紙製品全品も値上げになります。
他に、紙おむつ、生理用品なども値上がります。
何故、紙加工製品が値上げになるのか
原料費は外国産のパルプや木材チップの原料費の値上げかも知れませんね、対する輸送費はたしかに燃料価格が上げってコストが掛かるのは当然ですが、それ以外の問題も影響しています。
では、説明します。
今、政府は労働者への働き化改革に力を入れている事はご存じかと思います。
一般の産業は働き化改革の制度はすでに始まっていますが、建設関係や我々、運送業界は2024年から適応となっています。
運送業界は高齢化と人手不足により、一般の産業より準備期間が設けられました。
我々の業界では、この2024年問題に頭を悩ませているのは正直なことです。
悩んでいるのは、働き化改革の三本柱の中の長時間労働の是正です。
運送業界は長時間労働が多いとされています。
原因としては、荷待ち時間や荷役作業にかかる時間が問題となっています。
今回は荷待ち時間の事は置いておきますが、荷役作業時間、すなわち、荷物をトラックに積んだり、下ろしたりする時間です。
この時間を短縮しようと言うことです。
現状の物流の輸送形態は
トイレットペパーやティッシュはトラックにどうやって積むか知っていますか、
ドライバーが手作業で積んでいるのです。これをバラ積みと言います。
ホームに流れてくる箱を一個づつトラックに載せて積んでいきます。
たしかに、ティッシュや、紙おむつは一個は軽いけど、トラックの天井まで目一杯積むと何百ケースにもなります。
時間にして2時間くらいはかかります。
夏の炎天下ではかなり堪える作業です。天井まで目一杯積むので首のヘルニアになる人もいるとかで、
積むだけではありません、
下ろすのもパレットに積み変えて来るのです。
この原始的な作業の時間短縮や、作業環境を変える為にパレットに乗せて、そのままパレットごと運ぼうって事になりつつあるのです。
そうすれば、ドライバーの負担がかなり軽減されるし、荷役作業時間も短縮となり、政府が進める長時間労働の是正ってのに近づきます。
おっしゃる通りですが、現在において、紙加工製品以外でもバラ積みは全体の3割強もあります。
この様にパレット輸送化が進まないのが現状です。
パレット化が進まない理由とは
そもそも、日本におけるパレットの使用は倉庫で保管するための物でした。
トラックの荷物をパレットに積み変え、それをリフトで倉庫に保管、逆にパレットに乗った荷物を倉庫から出して、それをトラックの荷台に手作業で積み変えるといったパターンの連続です。
それには、パレットの回収が関わってきます。
パレットは自社所有が多く、一旦、社外へ出たパレットは元に戻ってくる確立はかなり低く、その回収率は半分くらいです。
ところが、荷物を降ろしたトラックは元の荷主にそのまま戻る事はあまり無いのです。
帰り便として次の積み先に向かいます。
その時、邪魔になるのはパレットです。もし、パレット混載で荷物が積めても、このパレットを返却しなければなりません。
そうなるとパレットを返却する為の無駄な運行が発生してしまうのです。
結局は「持ち帰るくらいならなら、いいや」ってことになります。
パレットごと輸送することが進まない原因は他のもあります。
パレットのサイズです。
各社、自社製品に対してのバラバラのパレットを使っています。
以前は木製のパレットが多く、行ったきりの使い捨てパレットが多く出回りました。
よく、倉庫や運送会社の車庫などの隅に積み上げてある光景を見た事があると思います。
これは、サイズがまちまちなのでトラックにパレットごと積んでも荷台に上手く収まらない事があります。
そこで運輸省と通商産業省がパレットの本格的な活用推進に乗り出しました。
パレットのサイズを統一しようと言うことです。それが、「T11型」と呼ばれるパレットです。
そこに目を付けたのはレンタルパレットです。
国の働きもあり、日本パレットレンタル株式会社(JPR)が一環して管理するようになりました。
使用したパレットはデポといわれるところへ返却すれば良いのです。
デポは全国各地区にあり、どの拠点に持ち込んでも構いません。
長くなりましたが、パレットごと輸送することがこれからは増えていく傾向にあります。
しかし、紙加工製品はパレット化が難しいのです。
先ほど、紙加工製品は軽いって言いましたよね、
荷台に目一杯積んでも積載可能な重量まで積めません。容積はとっても重量は少ないってことです。
トラックの最大の車高は決められているので、なるべく床の低い低床車両が紙加工製品を輸送する車両が多いのも理由が伺えます。
もし、パレット化が進むとパレットの分だけ荷台高が少なくなってしまうので今までの荷物量(数)が載らなくなってしまうのです。
したがって、1個当たりの輸送コストが上がって値上げになる訳です。
今まで低価格だったのは運転手さんの苦労のお陰だたって事ですね!
まとめ
運送業界においてドライバー不足に2024年問題と深刻です。
特に紙加工品の衛生用品などの分野は、未だ手積み手降ろしなどの手荷役が多く、ドライバーの長時間労働の一因となっていることから、この分野におけるパレット化は早急な改善が必要です。
パレットの回収問題や、パレット化による積載率の悪化があり、紙加工製品の値上げは免れそうもなさそうです。