一般の人が意外と知らない運送業界の仕組み

ネットで「ポチ」すれば、早くて翌日には荷物が届く時代です。

便利な時代になりました!
おねえさん
おねえさん


日本の物流の90%以上はトラックが運んでいます。

ほとんどがトラック輸送なんですネ、
おねえさん
おねえさん


昔は鉄道輸送が盛んで、駅のターミナルから届け先まではトラックで届けることが多く、荷物が生産者から消費者まで届くには何日も掛かりました。

今では考えられません。
おねえさん
おねえさん


今では生産者から消費者までトラックで輸送することでかなりの時間短縮になりました。
特に宅配事業はネット環境と配送効率の向上で注文から配達までかなりの時間短縮がうかがえます。

そのころから「物流」Logisticsという言葉が使われるようになり、輸送の形態が変わってきました。

たしかにロジックスって言葉、聞かれる様になりましたね!
おねえさん
おねえさん




今では、運送会社も物を運ぶだけでは無く、梱包から管理までを一環しておこなう事業も担っています。

しかし、その裏で効率と利便性にあおられている運送会社も少なくありません。

今回は、運送業界の仕組みについて説明していきます。

運送業界の仕組み

運送業界は約、8割が中小企業です。

運送会社は小規模の会社が多いんですね!
おねえさん
おねえさん


車両台数が20~30台くらいの規模の会社がもっとも多いのです。

このような規模の運送会社は、すべてとは言いませんが、荷物の依頼人(荷主)と直接取引している会社はさほど多くありません。

どうしてですか?
おねえさん
おねえさん




荷主である大手企業は規模の大きな運送会社に任せているところが多く、その、荷主から直に依頼されている会社は元請といいます。

元請の運送会社から依頼される運送会社は下請けと言い、あとは、孫請け、ひ孫受けとなり、下にいくほど雇われ業社が多くなり多重ピラミット状になっています。
元請以下の会社はすべて元請会社の「協力会社」と言われます。


そして、一般的にピラミットの下にいくほど効率の悪い仕事や、運賃も順を追って下がっていきます。

それは納得いきませんね!
おねえさん
おねえさん


だから、こぞって元請にちかい運送会社の協力会社になりたいのです。

皆、元請の下になれば良いのに、
おねえさん
おねえさん


しかし、孫請けだった運送会社が一気に下請けになったりすることはこの業界、タブーなんです。
この業界に限らず、どこの業界も同じとは思いますが、それも近頃は過去の産物となりつつありますが・・・

仁義無きってことですネ! 笑
おねえさん
おねえさん


高い運賃で率の良い仕事の方が良いに決まってますから、

逆に、輸送中などでトラブルが生じた場合は依頼した会社が責任を負う形になります。
例えば、ひ孫請け会社がトラブった場合、孫請け会社が責任を取ります。

だから協力会社を選ぶ場合、どこの運送会社でも良いという訳にはいきません。

実は、物流会社・と運送会社は違う

運送業界はピラミット構造になっていることは分かってもらえたと思いますが、今度はピラミットの頂点である元請というのについて説明します。

一般的に元受となるのは比較的大きな運送会社や、大手企業(生産者)の物流部門、例えば、○○物流○○ロジスティックなどです。

有名なところでは、味の素物流や、サントリーロジスティックみたいな、
おねえさん
おねえさん

そうですね、この様なところは企業の100%の子会社となっています。



この元請けである企業の物流部門や、大手運送会社は、製品の保管、荷役、管理のほか、自社の協力会社である運送会社に輸送の依頼をおこなっています。

元請会社は自社車両は持っていないのですか?
おねえさん
おねえさん

元請会社には自社の車両を抱えているところもありますが、自社のトラックはあまり保有していません。

なぜ、自社の車両を持たないのですか?
おねえさん
おねえさん


自社の車両を持つメリットが無いからです。
とくに、企業の子会社の物流部門は、輸送の割り振りのみで、自社の車両を保有しているところも段々と減らす傾向にあります。

この業界、人出不足やドライバーの管理や労働時間の短縮など問題が山積みです。
100%子会社なので運賃で稼ぐ理由が無く、協力運送会社に依頼して、その手数料を頂いていれば良いのです。

餅屋は餅屋と言うことですネ!
おねえさん
おねえさん


これからの物流の主流は

物流というと、運ぶとか流通を浮かべるかもしれません。

しかし、物流には保管、梱包、配送などの一連の流れをさしますが、最近では、調達や管理なども請け負っています。

これを一般的に3LP(サード・パーティ・ロジクティクス)といいます。

何ですか、そのサード・パーティ・ロジクティクスって?
おねえさん
おねえさん

物流ノウハウがある者が、第三者的な立場で荷主の立場になって物流から調達管理までをおこなうサービスで、大手運送会社や倉庫会社などが主におこなっています。

例えば、日本通運や、ヤマトホールディングなどは有名です。

これにより、生産者はコスト削減や、生産性の向上が期待できます。


それにより、大手運送会社はさらに事業を拡大していきますが、中小の運送会社はいつまで経っても大手運送会社の協力会社、つまり、下請け、孫請けでしかないのです。

運送会社のピラミット構造の問題

生産者にとって輸送コストは低く抑えたい部分です。

運賃を低く抑えたいって事ですか?
おねえさん
おねえさん

ここ最近、燃料の高騰などで運送会社も運賃の値上げを要請していますが運賃交渉が進まない原因は、この業界のピラミット構造にあります。

どう言うことですか?
おねえさん
おねえさん

早く言うと、孫請けの運送会社が元請の会社に運賃の交渉は出来ないのが普通です。孫請けの会社が交渉できるのはすぐ上の下請けの会社になります。

もし、ピラミットをさかのぼる様に運賃交渉が進んだとしても元請は「荷主が運賃を上げてくれないので難しい」で終わるケースが多いのです。

とくに元受が企業の100%子会社ならなおさらです。
何故なら、同じグループなので立ち位置が荷主側なのです。

何か良い方法は無いのですか?
おねえさん
おねえさん

下請け法があるのですが、殆ど機能していないのが現実です。

また、このピラミット構造には、運送会社が倒産した場合、共倒れのリスクもあります。

荷主→元請→下請け→孫請け→・・・と運賃が支払われていきます。この時点で手数料などで運賃から差し引かれていきます。

1社でどのくらい引かれるのですか?
おねえさん
おねえさん

大体、2.000円から、5.000円くらい中には、長距離になると10.000円くらい引く会社もあります。
なかには、協力金などという名目で強制的に引かれるケースもあります。

話は少しそれましたが、この運賃の流れていく間のどこかの運送会社が倒産した場合、その下の会社も共倒れとなるリスクが多いのです。

規制緩和により運送会社の数は増えましたが、殆どは孫請け、ひ孫受けの会社が多く、経営状態もあまり良いとは言えません。

理由としては、今まで話したこの業界の多重ピラミット構造にあります。
下にいくほど運賃や労働条件が厳しくなり、本来守られなければいけない規則が遵守できないことが背景にあります。
もっと、下請け法が機能することと、多重下請け構造を見直していくべきかも知れません。

そうですね、せめて元請け以外は皆同じとかに
おねえさん
おねえさん
トラックドライバーは時間に常に拘束されていると言っても言い過ぎではありません。仕事が終わって家にかえっても翌日の到着時間から逆算して就寝する時間も決まってくるのです。それだけドライバーにとって延着する事はタブーなのです。それだけで無く、一日の拘束時間や一日に運転できる時間にも決まりがありドライバーは時間との闘いです。

スポンサーリンク



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする