いつも安全運転ご苦労様です。
今年は記録的な暖冬で,全国的に雪が少なくて良かったというドライバーも多いことではないでしょうか。
そんな声が聞かれる中、そろそろスタッドレスタイヤの溝も少なくなり、夏のオールシーズンタイヤに履き替える時期が近づいてきました。
そして、タイヤ交換の時期に多い、タイヤ脱落事故も少なくありません。
大型のタイヤ脱落は増えている
その事故で母親が亡くなるという、悲惨な事故が横浜市で起きました。
国土交通省の調べでは年々、大型車の車輪の脱落は増加傾向にあり、平成30年度のデーターでは車輪脱落は81件発生しています。そのうち3件が人身事故になっています。
一番多かった平成16年(2004)の87件に迫る勢いで国土交通省からも緊急対策の一環として通達されています。
大型車のタイヤは直径1メートル、重さ、100キロ(ホイール付き)にも及び、いったん外れて人や車に当たれば大きな事故に繋がります。
時期的には2月頃が多いとされていますが、タイヤを交換して少し経った頃に起きやすい点ではこれから迎える夏場も同じと言えます。
大型のタイヤ脱落は左側が多い?
大型車両の脱落でもっとも多い箇所は左側の後輪が多く車輪脱落の全体の83%をしめています。
原因は定かではありませんが、考えられることは、道路は比較的左側に傾斜しており、常に左側のタイヤに重量がかかっていることや、交差点などの左折時には右折時より、小回りして後輪がよじれること等が原因ではないかとされています。
では脱落の原因はなんだ?
タイヤ脱落の原因は
左側のタイヤが脱落する割合が高いということは歩道側ということになり、歩行者にとっては常に危険にさらされている事になります。
日ごろの日常点検の項目にもホイールなどの取り付け状態などの点検をする事となっていますが、中には日常点検では発見しにくい箇所も有ります。
ハブの欠陥による
先に話した横浜市の車輪脱落事故がこれにあたります。
そうです。
M社製のトレーラーのハブの欠陥を隠すいわば、リコール隠しから起きた事故です。
このハブの部分に過積載などによる規定量以上の負担がかかるとドラムもろともタイヤが外れてしまいます。
ホイールナットの締め付けの不備
タイヤの脱落の殆どは、ホイールの脱着してから早い時期に発生しています。
一番多いのはホイールナットの締め付け不足からの緩みが挙げられます。
まず挙げられるのは、
- ・規定のトルクでナット及びクリップボルトを締めていない
- ・ホイールナット及びクリップボルトがアルミホイール用、鉄ホイール用を使用していない
- ・8穴ホイールに多く、ホイールナットが当たるテパー部分が減っている
- ・ハブとホイールの結合部分に錆びなどが挟まったまま締め付けてしまった。
- ・ハブやホイール自体に磨耗があり、ハブとホイールの結合接点に隙間ができてしまう
- JIS規格とISO規格のホイールを間違えて装着してしまう
ホイールボルト(ハブボルト)の損傷
ホイールボルトは消耗品では無いので定期的に交換の義務は現在ではありません。
しかしホイールボルトが折れてタイヤが脱落することもあります。
考えられる原因としては、過積載や過度な衝撃などによるホイールボルトの損傷(亀裂)が原因です。
それと規定のトルクで閉めることが条件ですが締め過ぎにより、ボルト自体が伸びてしまい荷重を支えきれ無くなって折れてしまうこともあります。
タイヤ脱落を防止するには
上の画像は我が社で撮った実際の写真です。
雨降りに走った後にこういった黒い放射線状のすじ(鉄ホイールは錆び汁)が付く場合は殆どと言ってよいほどホイールナットが緩んでいます。
原因はホイールのハブの接地面の磨耗により緩んだことで、結果的にはホイールを交換しました。
タイヤ脱落の原因はホイールボルト、ナットの緩みが9割です。逆に考えれば日ごろの日常点検で防げれるという事です。
乗務時の運行前点検の中にもある「ディスク・ホイールの取り付け状態のチェック」の項目がありますが空チェックの人、気をつけて下さいネ~
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