目次
はじめに
いきなりですが今の運送業界の現状はどうでしょうか?
・ドライバーが不足している
・燃料費や経費がかさむ
・待機時間が多い
・運送の業務以外の付帯作業をやらされる
・運賃の値上げ交渉が追いついていかない
・運行規則が厳しくなった
等、等、色々と有りますがひとつづつ説明していきましょう。
ドライバーが不足している
日本の人口も高齢化が進み若い方の割合が減ってきました。
運送業界も同じく、高齢の人がドライバーの多くを占めています。
若い世代が入ってこないのが現状です。ドライバー不足を補う形で自動運転化の開発が進められていますが完全自動運転レベル5までにはほど遠く特に大型車両ともなれば更に遠い話ではないでしょうか。
なぜ、若い世代が入ってこないのか?
「車」そのものにあまり興味をしめさなくなってきた事や運送業界のイメージがあまり良く無く、3 K(きつい、危険、汚い)の業種に近い、←の条件の割には給料があまり良く無い、労働時間、休暇が不規則等の原因が有ります。
やはり、一番の要因は日、祭日に決まった休みがとれ、家族との団らんの時間を多く過ごしたいと思う人が増えてきた事でしょう。
燃料費や経費がかさむ
2018年の夏頃には経由価格一リットル130円台を表示していました。昨年と比べると20円位上がっており経費上昇に大きく繋がっています。
ちなみに、10年位前は軽油価格は70円台、ガソリンは110円位でした。
大型車の場合、燃費はリッターあたり、2.8km位ですから燃料の価格上昇は死活問題でもあります。
後、拘束時間や運転時間などの短縮の為にどうしても高速道路を利用しざる負えなくなった事でしょうかETCのコーポレートカードを利用しても追いつか無い状態です。
もう一つは安全性に対して運転者を講習や教育に時間とお金がかかります。
私の会社では月に一度全員を集め安全会議と題して行っています。
待機時間が多い
待機時間とは積込みや荷降ろし等、先方の都合で待たされる時間です。
よほど行った先ですぐに荷降ろしや積込みの作業が始まる事が無いのが現状です。
待機時間が発生する要因
- 積込、荷降しにトラックが殺到して順番待ちになる
- 荷物やオーダーが出てなくて待たされる
- リフトのオペレーターが他の業務と兼務していて手が空かない
平成29年7月から30分以上の待機時間(荷主等の都合)が発生した場合は乗務記録に記載する事が義務化となり、同年11月から貨物自動車運送約款が改正となり運送状の記載事項として「積込み料」「取卸料」「待機料」等が運賃とは別に定める様になりました。
しかし、現状はこの機関がほとんど機能しておらず泣き寝入り状態です。実際は待たされる運転者です。
タクシーは待機料金を頂けるのにおかしいですね。
運送の業務以外の付帯作業をやらされる
ドライバーは本来、積み込んで貰い安全、正確に運ぶのが仕事です。しかし、他の付随した作業をやらされ事が多々あります。
これを付帯作業といいます。たとえば、積込、積み下ろしを自分で行ったり、ラベルのバーコードを端末器で拾ったり、ラベルを荷物に張ったり、棚に商品を陳列したり等をやらされるケースが多々あります。
この作業は待機時間の内に行ったり、深夜到着してから朝の段取りを良くするために睡眠時間を削って行うドライバーもいます。
そもそも、付帯作業は荷主側の主に荷物の種分け効率を良くする為の作業であり、いままでは運送側のサービス的な要素が有りました。
段々と荷主側の作業効率を上げる為に付帯作業もエスカレートしてきました。
新しく出来た貨物自動車運送約款には運賃以外に付帯作業料金も別立てで請求できる様になりました。がしかし、付帯作業の料金も運賃に含まれたままとか、運送事業者が他の業者と競争する為に運賃に含んで無償にしている業者もいます。
いずれにしろドライバーに負担が掛かっているのが現状です。
運賃の値上げ交渉が追いついていかない
荷物を運んで運賃が発生しますがこの運賃が今の条件に見合った対価を頂け無いのが現状です。
今の条件とは、燃料代の高騰、車両の維持費の上昇、コンプライアンス遵守にかかる費用、諸物価の値上り等があげられます。
燃料代の上昇
前の文面にも書きましたが10年前と比べて燃料代がかなり上がってきました。現状の運賃にサーチャージ代金として別立てで請求できるのですがサーチャージの交渉をしていても燃料の単価が変動してしまい中々追いつかない状態です。
車両の維持費の値上り
運送業に欠かせない車両の車両価格もかなり上がってきました。以前は大型車両ですと大体一台13,000,000円位でしたが今は16,000,000円位します。(車両の装備によって違いあり)
あと、修理代、車両点検費等もあげられます。
法令遵守には経費が掛かる
運行管理の記事でも触れましたが法令を遵守する為には経費が掛かります。
運転者の拘束時間は基本、一日13時間とか運転時間は平均の9時間とか色々有ります。
この決まり事は厚生労働省労働基準局で以前から有りましたがここ最近、2012年の関越道の高速ツアーバス事故から労働基準監督署、運輸局等の取締が強化され、監督指導から8割近い法令違反があったとされています。
拘束時間、運転時間の短縮には高速道路利用の増大、フェリー乗船、2人運行等で賄う手段で対処しなければなりません。
まとめ
自分が業界の人間なので今の環境が改善される願望から業界のネガティブな事ばかり書いてしまいましたが・・・・
物流が無くならない限りトラック輸送も無くなりません。
何かと便利な世の中になってきましたが安全を除外した利便性は求めてはいけません。運送業界もデジタコの導入等で燃費の削減、運転適性の診断、運行管理の明確化等で安全に対する意識も高まってきました.
運送事業者は運転者の待機時間の減少、待機料、付帯作業料、積込み作業等別の対価とし適正化なる運賃を荷主に訴えていかなければなりません。もちろん、運転者へもその穏健はつながっていかなければいけません。
旅客、貨物の事故が大きく放映されたりします。悲惨な事故を起こさない様、運送事業者はドライバーに安全教育、安全指導しこれからの物流を支えていってほしいものです。
[rekuten-emosyon]