運行管理の業務ご苦労様です。
最近、我が社で朝の点呼時にアルコールの検知が反応する事態が続きました。
点呼時にアルコールが検知された場合、当事者に運転させることは出来ません。
したがって、他のドライバーに変わって運行してもらうか、呼気中のアルコール値がゼロになるまで乗務できません。
っという訳で今回はこのドライバーはアルコール値がゼロになるまで待機させました。
おかげで、到着時間も無かったので延着にならず、無事荷物を収めることができました。しかし延着になったら、会社の信用も落ちてしまいます。
最近、トラックの飲酒運転による事故が増加
今回、点呼時で飲酒が発見出来、瀬戸際で食い止めることができましたが、もし、事故を起こして飲酒が発覚した場合、取り返しがつかない事態が待っています。
1999年の東名高速道路、東京IC付近で飲酒運転の大型トラックが乗用車に追突して炎上、乗っていた幼い姉妹が亡くなった悲惨な事故も記憶に残っています。
しかし、ここ数年、事業用トラックにおける飲酒が関係した事故が増えている傾向にあるのです。
昨年、令和元年の統計では、事業用トラックの飲酒は全国で96件もあり、飲酒がからんだ事故件数は28件にも及んでおり、「飲酒運転の撲滅」には程遠い数字となっています。
では何故、飲酒して運転してしまうのか。それはモラル以前の問題であり、凶器を振り回している犯罪者と同じです。
捕まらないから大丈夫、少し位なら大丈夫などというレベルの問題ではありません。
最近は少なくなりましたが、トラックドライバーらしき人が夕食時ビールを飲んでいる光景をみましたね、飲酒することは悪いことではないのですが、呑んでそのまま運転や、少しの仮眠で運転してしまえば道路交通法第65条 第1項にあたり、事実が判明されれば即逮捕となってしまいます。
事業用自動車を運転していて検挙されれば、本人だけで無く、会社へも制裁がかかってきます。
飲酒が検知される原因
朝の点呼時で呼気からアルコールが検知される場合、大抵は前日の飲酒が原因です。
その時のドライバーの言い訳は「前日の帰宅が遅いのにいつもと同じ量を飲んでしまった」「翌朝の出発時間が遅かったから余分に呑んだ」などが多く、中には、前日の日曜日に地区の行事で昼間から呑んだ、翌朝まで時間があるから大丈夫だと思った。
一般的に酒を飲んだら「7~8時間くらい空けると良い」などとよく言われますが、これはすべに当てはまることではありません。
気をつけなければいけないのは飲酒の量やその人のアルコールの消化力によって変わってくるのです。
また、その時の体調によってもアルコールの消化に時間がかかってしまうこともあります。
点呼時の飲酒確認方法
平成23年から、点呼時にアルコール検知器を使用することが義務化となりました。
我が社の場合、対面点呼時に○○電子のアルコール検知器を用いて飲酒がないかの判断をしています。
もし、点呼時に機器がアルコールを検知した場合、社長以下の役員数名にアルコールを検知したメールが届くシステムになっています。(顔の画像入り)
また、運行上、途中泊になってしまった場合、仮眠時に寝酒を呑むドライバーも少なくありません。
対面で点呼が出来ない場合、業務の開始、終了の場所が遠隔の場合、電話の点呼となります。その場合、電話点呼の前に上の画像のように携帯用のアルコールチェッカーと会社から支給した携帯電話と一緒に写メを撮ってから電話点呼するようにしています。
今では、IT点呼システムを導入すれば携帯端末からアルコールの検知が出来るようですが、この方法なら検知した日時も確認出来、不正も防ぐことも出来ます。
まとめ
毎週金曜日の夜に国土交通省自動車局からメールマガジンが送られてきますが毎週のように事業用トラックの飲酒による交通事故の情報が送られてきます。
ドライバーの中には、酒が好きな人もいます。会社を一旦出てしまえば運行途中で酒を呑んでも誰も止める人はいません。
事業所の中には、車両にアルコールを感知すると始動不可能にさせるインターロック装置を付けている会社もあります。
事業用自動車の運転者による飲酒運転は、トラック運送業界の社会的信頼性を著しく失墜させるばかりでなく、これまで築き上げてきた荷主等との深い信頼関係をも根底から崩壊させかねない悪質な行為であり、このことを事業主は各、ドライバーに教育し、点呼時において確実な点呼の実施体制を整えなければならないのです。
また、飲食直後の検知にも反応するので気を付けて下さいネ!