
トラック運転者として長年働いてきた人にとって、年金はまさに“第二の給料”。
でも、


そんな疑問や不安、結構あると思います。
今回は、**トラック運転者のための“年金の基礎知識”と“働きながら年金を受け取る方法”**について、わかりやすく解説します。
目次
✅ そもそも「年金」ってどんな仕組み?
年金とひとくちに言っても、実は仕組みはチョット複雑。
日本の年金制度は、**“二階建て”**になっています。

■ 1階:国民年金または基礎年金ともいいます。
- 20歳以上60歳未満のすべての人が加入、納付
- フリーランス、自営業、学生、無職も含まれる
- 月々約1.7万円(定額)を納める(2025年現在)
- 将来もらえる額は、満額で月約6万5,000円程度(2025年現在)
■ 2階:厚生年金
- 会社に勤めている人が対象(サラリーマン・運転者など)
- 給料の額に応じて保険料が決まる(会社と折半)
- 将来もらえる年金は、加入年数×収入に比例して増える
トラック運転者の多くは、会社員なので【1階:基礎年金 + 2階:厚生年金】の二重構造になります。
ただし、個人事業主や請負業者は国民年金のみです。

✅ 年金をもらうための条件は?
では実際、年金はどうやったらもらえるのか?
2つの条件を押さえておきましょう。
■ 条件1:10年以上の加入期間
年金を受け取るには、原則として10年以上の保険料納付が必要です。
- 昔は25年必要でしたが、今は10年でOK。
- 厚生年金+国民年金の合算も可能。
■ 条件2:原則65歳からスタート
年金の受け取り開始は、基本的に65歳からです。
- 60歳から「繰り上げ受給」もできるが、その分最大30%減額される
- 反対に、70歳まで遅らせると増額される仕組みもあり
「60歳でもらった方が得か、65歳まで待つべきか」――これは体力・収入・生活設計次第ですね。

✅ トラック運転者の年金は本当に少ないのか?

答えは「YES」。全体の平均より低めと言われています。
ちなみに、全国平均は、2025年では14.5万円となっています。(国民年金+厚生年金)
■ なぜ少ないのか?
- 基本給が安く設定されている
- 給料の割合が歩合・手当のほうがが多く、年金の計算に反映されにくい
- 転職が多く、厚生年金の加入期間が断続的
- 自営業ドライバーは国民年金だけ
たとえば、総支給額が月35万円でも、基本給が18万円なら年金は「18万ベース」で計算されます。
つまり、「たくさん稼いでも、将来の年金にはあまり反映されない」という現実があるのです。

先にも触れましたが、厚生年金は本人と会社が折半だからです。
社長~


✅ 年金を増やす方法とは?
「今さらもう遅いよ」と思うかもしれませんが、実はまだ間に合います。

▷ スキルアップで給与ベースUP
- 大型免許、けん引免許、フォークリフトなどを取得して高単価案件を狙う
- 運行管理者資格を取得し、管理職登用で基本給UP
▷ 会社と交渉する
- 「将来の年金を考えて、基本給を上げてほしい」と相談してみる
- 難しいかもしれませんが、交渉すること自体に意味があります

「年金に反映されるのは基本給だけ」――この仕組みを知っている人は意外と少ないんです。
✅ 働きながら年金をもらうには?【在職老齢年金制度】
「65歳過ぎても、体が動くうちは働きたい」
「収入を減らすのが不安…」
そんな人のためにあるのが【在職老齢年金】制度です。

■ どういう制度?
65歳以上の人が、厚生年金に加入して働きながら、年金も受け取れる制度です。

ただし条件があります。
■ 給与+年金が48万円を超えると、減額される
給与(総支給)と厚生年金の合計が月48万円を超えると、
超えた分の半分が年金から減額されます。
📌 たとえば…
- 月給36万円
- 厚生年金:13万円
→ 合計49万円(48万円を1万円オーバー)
→ 減額されるのは 1万円の半分=5,000円
※あくまで厚生年金部分に対しての減額で、国民年金には影響しません。
年金がまるごとカットされるわけではありません。
あくまで「超えた分の一部」だけが調整されるのです。

しかし、一般的に年金を受給すると給料を減額する会社も多いのも事実。
✅ 収入と体力のバランスがカギ
この制度を上手に使えば、**年金+給料の“ダブル収入”**が可能になります。
▷ こんな働き方もOK
- 週3勤務にして収入を抑え、年金を満額受給
- あえて給与を少なめにして年金をキープ
- 減額されても「それでも収入が多い方が良い」と割り切る
「ちょっと運転の量を減らして、倉庫内作業や運行補助に回る」
そんな柔軟な働き方もアリです。
✅ まとめ|将来を見据えて“今”を考える
トラック運転者は、現役中はハードな仕事をこなしながらも、将来の備えがおろそかになりがちです。
✅ 今からでもできることはある
✅ 基本給を意識する
✅ 働きながら年金を受け取る制度をうまく使う
✅ スキルや知識を武器にして、働き方を柔軟に
運転者本人だけでなく、雇う側もこの仕組みを理解してくれると、業界全体が良くなっていくはずです。