「安全性に対する法令の遵守」とは他の記事で説明しましたが、各地区の適正化指導員が行う巡回指導においての結果がもとになっており、配点が40点です。
その中に、「運輸安全マネジメントに対する取組状況」があり、この項目で的確に実施されていれば3点が獲得できます。
もちろん、運輸安全マネジメントは事業所に掲げてなければいけませんし、巡回指導での掲示が確認項目になっています。
残念ながらこの巡回指導で掲示が確認されただけでは評価点に3点は加点されなせん。
ではこれから説明します。
目次
まず、運輸安全メネジメントとは
平成18年10月に貨物自動車運送事業法の一部が改正され、それに伴い、「運輸安全マネジメント」の作成、実施が追加されました。
内容としては、その事業所(営業所)が、輸送の安全に対しての目標を立て、それを実行する為の計画、いわば、会社の決意書みたいなものです。
輸送の安全の確保が最も重要であるという意識を社長から現場の運転者まで浸透させ、その達成結果を元に次の年の目標を掲げます。
その、「運輸安全マネジメント」は各事業所に掲示されてなければならず、適正化指導員の巡回指導項目になっています。
判断基準項目
その申請年の7月1日現在において、安全方針が定められていれば良いのですが、本来、運輸安全マネジメントは輸送の安全に関する計画の作成、実行、チェック、改善(いわゆるPDCAサイクル)を活用して、継続的に行わなくてはいけません。
この運輸安全マネジメントは先にも触れましたが、適正化指導員が巡回指導で評価するものではありません。
もちろん、巡回指導の時に掲げてなければ指導される事は間違いありません。
ではどうやって評価されるのか、
それは、Gマーク申請資料と一緒に提出しなければならないのです。
その中の取組内容が適切に行われているかが判断されます。
そうです。
その中の内容が以下4つの取組内容が含まれているかが判断されます。
輸送の安全に関する基本的な方針を策定している
内容としては、経営者トップ(社長など)が強いリダーシップのもと、輸送の安全が第一であることを日常の業務で従業員全員に対して周知が徹底されているかが評価されます。
・安全輸送は我が社のモットー
・安全輸送はプロドライバーとしての社会的使命
労働安全衛生などの方針は評価されません。
輸送の安全に関する目標を設定している
輸送の安全の為にはどの様な目標をたてたら良いかを運転者の意見を踏まえ、目標を達成するための具体的な手段が定められているかが評価されます。
それには、具体的な数値を挙げて目標としたり、輸送の安全に関する設備や投資などの計画を含めます。
・飲酒運転の撲滅
・デジタコ全車両導入
などが挙げられます。
輸送の安全に関する計画を作成している
いくら目標を決めても、その目標を達成するためにはどの様な計画の元に行うか、たとえば、研修の方法を工夫したり、情報の伝達の取組、運転者に対しての指導、教育などの計画をたてたりが含まれます。
・ドライブレコーダーを活用した指導を行う
・外部機関への研修および、適正診断を活用した指導を行う
これは、ほんの一例です。
運輸安全マネジメントの取組みを公表している
運送事業所において、輸送の安全に関する基本的な方針、目標及び当該目標の達成状況、事故(自動車事故報告規則第2条)に関する統計について、営業所内における掲示等により、毎年度、外部に対し公表してなければいけません。
すなわち、この「運輸安全マネジメント」をどの様な方法で外部に公表しているかが問われます。
資料の作成方法
まず、すべての提出資料はA4サイズに統一しなければいけません。
申請書作成システムで作成した自認書には資料Noを必ず入れることです。
全日本トラック協会から引用
輸送の安全に関する基本的な方針を策定している
①当年度の輸送の安全に関する基本的な方針が策定されているの部分を色を変えるか、赤枠で囲むこと。
輸送の安全に関する目標を設定している
②当年度の輸送の安全に関する目標を設定しているの部分を色を変えるか、赤枠で囲むこと。
輸送の安全に関する計画を作成している
③当年度の輸送の安全に関する計画(目標達成のための計画)の部分を色を変えるか、赤枠で囲むこと。
運輸安全マネジメントの取組みを公表している
①取組の当該年度(期間)が記載されている。
②当年度の輸送の安全の関する基本的な方針が公表されている。
③当年度の輸送の安全の関する目標が公表されている。
④目標の達成状況が公表されている
⑤自動車事故報告規定第2条に規定する事故に関する統計が公表されている
以上の部分を色を変えるか、赤枠で囲むこと
⑥公表の方法が分かるものが添付されている(事業所内へ掲示されている状況が分かる写真、ホームページを印刷した書類など)
※上の運輸安全マネジメントと展示物は同一のものではありません。
資料作成にあたって注意すること
自認項目①~④の全てを満たした場合にのみ、3点が加点されます。
1項目でも基準を満たしてない場合は加点対象になりません。
また、添付資料で、掲示風景のマネジメントと資料のマネジメントが同一で確認できなければいけません。たとえば、画像が薄かったり、画像がぼやけていたり、小さ過ぎるものは判断が出来ないので対象から外れる可能性があります。
良く間違えやすいのは、⑤の「自動車事故報告規定第2条に規定する事故に関する統計が公表されている」のところは「事故0件」ではなく、必ず、「自動車事故報告規定第2条に規定する事故 0件」と入れた公表が必要です。
例
○○年度 人身事故 0件 物損事故 0件 ×
○○年度 自動車事故報告規定第2条に規定する事故 0件 ○
まずは鮮明な写真を撮ることだナ、
まとめ
いかがでしたか、この「安全性に対する法令の遵守」は適正化指導の結果が37点で、運輸安全マネジメントの結果が3点となっています。
この、運輸安全マネジメントの評価は、全日本トラック協会が判断基準により、審査します。
よって、巡回指導の際に確認をした運輸安全マネジメントの評価結果は本項目の対象となりませんので注意が必要です。
ここでの資料作成は、①~④の写真のコピーと展示風景の写真のコピーと合わせて5枚の資料を添付すれば良いので是非、3点を獲得したいところです。
- チェックリスト
- 資料①②③④
- 展示風景写真の写し