― 荷主が知っておくべき「当たり前の理由」―
荷物を依頼する立場からすると、
「正直、緑ナンバーの運賃は高い」
そう感じる場面は少なくないと思います。
同じ距離、同じ荷物。
それでも見積りを比べると、価格に差が出る。
では、その差はどこから生まれているのか。
今回は、**荷主側には見えにくい“運賃の中身”**を整理してみます。
目次
緑ナンバー車とは「事業として運ぶ車」
緑ナンバー車は、
国の許可を受けて運送を行う営業用車両です。
・事業許可
・運行管理体制
・法令遵守
・責任の所在が明確
単に「荷物を運ぶ車」ではなく、
もし、事故やトラブルがあった場合、責任を負う存在でもあります。
運賃が高くなる最大の理由は「人」
緑ナンバー事業者は、
ドライバーを個人任せにはできません。
・労働時間管理
・休息時間の確保
・残業代の支払い
・社会保険の加入
これらを前提に、
人として雇い続けるコストを背負っています。
安く走らせる為だけに、
無理をさせることは許されない。
その分が、運賃に反映されています。
実は重い「安全教育」というコスト
あまり知られていませんが、
ドライバーへの安全教育には確実にお金がかかります。
・新人教育
・定期的な安全講習
・事故防止研修
・ヒヤリハットの共有
・点呼・指導記録の作成
これらは、
やらなくても今日・明日は走れます。
しかし、
やらなければ事故の確率は確実に上がる。
緑ナンバー事業者は、
事故を起こさないために
“走らない時間”にもコストを掛けています。
車両メンテナンスは「保険」に近い存在
車両も同じです。
・定期点検
・消耗品の早期交換
・予防整備
・車検基準の遵守
壊れてから直すのではなく、
壊れないように維持する。
この考え方が、
結果として運賃を押し上げます。
ですがこれは、
止まらずに走り続けるための
必要経費でもあります。
「何も起きない」ために払うお金
緑ナンバー車は、
・高額な対人・対物保険
・貨物保険
・事故対応体制
これらを備えたうえで走っています。
事故が起きなければ、
その価値は見えません。
しかし一度トラブルが起きれば、
誰が、どこまで責任を取るのか
その差は一気に表に出ます。
それでも高く感じる理由
荷主側から見れば、
「荷物が無事に届く」
それだけがすべてです。
だから、
安い方を選びたくなるのは自然です。
ただし、
その安さが
どこを削って生まれているのか。
人なのか、
整備なのか、
教育なのか。
そこまで見えることは、
ほとんどありません。
運賃は“輸送費”ではなく“安心料”
緑ナンバーの運賃は、
単なる移動費ではありません。
・事故を防ぐため
・人を守るため
・安定して運び続けるため
そのための安心料に近いものです。
短期的には高く見える。
ですが、
トラブルが起きた瞬間、
その価値は一気に逆転します。
おわりに
緑ナンバー車の運賃が高いのは、
特別な理由があるからではありません。
守るべきことを、守っているから。
安全教育も、
車両メンテナンスも、
すべては「何も起こさないため」の投資です。
価格だけを見るのか。
安心まで含めて考えるのか。
輸送をどう捉えるかで、
選ぶべき相手は変わってくるはずです。
