トラック受付予約システムが各地で導入され、しばらく時間が経ちました。
導入目的は明確です。
- 荷待ち時間の削減
- ドライバーの拘束時間短縮
- いわゆる「2024年問題」への対応
確かに、表向きの理屈はもっともです。
実際、今でもこのシステムを導入する荷主・倉庫は増え続けています。
そして現場からは、
「待機時間が減った」
「順番待ちで早く行かなくてよくなった」
そんな声が聞こえてくるのも事実です。
しかし――
それと同じくらいの割合で、不満や違和感も確実に存在しています。
目次
ドライバー側から聞こえてくる声
まずは、ドライバー側の評価です。
現場でよく耳にするのは、こんな声です。
- 操作が複雑で、場所ごとに使い方が違う
せめてアプリを統一してほしい - 入構可能の連絡がSMSで来るため、
いつ呼ばれるか分からず、仮眠も取れない - 予約時間に行っても、時間通りに呼ばれない
- 「予約時間に間に合わせなければならない」というプレッシャーが強い
- 混載の場合、前の現場が遅れると次の現場に延着してしまう
確かに「並ばなくていい」点だけを見れば進歩です。
しかしその裏で、新しいストレスが生まれているのも事実です。
運送会社側からの評価はどうか
次に、運送会社側の立場から見てみます。
- 予約が2~3日前から可能なので、
常連の運送会社は見込み発車で予約を入れてしまう - 取りたい時間帯は皆同じ
希望時間がなかなか取れない - 混載の場合、前の予約が確定しないと
次の予約時間が入れられない - 午前中の早い時間は、
当日配送などの車が優先されがちで予約が取りにくい
これらの不満を含めると、
ドライバー・運送会社の悪評は全体の4割前後を占めている、
そんな印象を受けます。
本当の問題は「拘束時間が減ったのか」だ
ここで、いちばん大事なポイントです。
本当に、ドライバーの拘束時間は減ったのでしょうか。
以前は、工場や倉庫の周辺に
待機車両の列がずらりと並んでいました。
確かに、予約システム導入後、
その光景は減ってきています。
しかし――
その待機は、消えたのではなく、移動しただけです。
- 少し離れた駐車場
- コンビニ
- 道の駅
- 高速のPA
予約時間に合わせるため、
「別の場所で待っている」だけなのです。
記録計上は「休憩」でも、現実は待機
この待ち時間、デジタコ上はどう扱われているか。
多くの場合、
**待機ではなく「休憩」**になっています。
ですが、
車庫を出発した時点で運行は始まっています。
すなわち、
- 待機だろうが
- 休憩だろうが
1日の拘束時間が減るわけではありません。
最近では、トラックGメンの活動も活発になり、
待機時間の強要が問題になる荷主には
荷主勧告や通達が出されるケースもあります。
その結果――
荷主側はこう言えるようになります。
「うちは予約時間通りに受け入れています」
予約システムが「逃げ道」になっていないか
ここが、どうしても引っかかる部分です。
予約システムを導入していれば、
形式上は「改善している」ことになります。
しかし実態はどうでしょう。
- ドライバーは別の場所で待たされる
- 時間に追われ、精神的な余裕が増える
- 混載で遅れれば、次の現場へのプレッシャーが増す
結果として、
- 焦り
- 無理な運転
- 事故へのリスクの増大
こうした負の連鎖につながる可能性も否定できません。
現場は楽になった。でも負担は形を変えただけ
確かに、
「現場での待機時間は減った」という声はあります。
それは事実でしょう。
ただし、
ドライバーの負担が減ったかと言えば、話は別です。
- 待つ場所が変わった
- 管理の形が変わった
- プレッシャーの種類すぎません
それは、負担が減ったではなく、負担が変わったにすぎません。
言いたいことは一つだけ
私が声を大にして言いたいのは、これです。
荷主・受け取り側の考え方が変わらない限り、
どんなに立派なシステムを入れても意味はない。
予約システムが、
「うちは一生懸命やっています」
そのための免罪符になってしまっているように、
どうしても見えてしまいます。
制度は大事です。
システムも必要です。
でも、
現場でハンドルを握っているのは人間です。
そこを忘れた改善は、
結局、誰も救わない。
――これは、運ぶ側からのただのつぶやきでは済ませないでほしい。
