
トラックを運転するとき、大きさや、重量による慣性や、惰性などにも気をつけて運転しなければいけません。
また、構造上、カーブや交差点での右左折時の内輪差や、死角への拝領も重要です。
ここでは、トラックの構造上の特性や、それゆえに起こりやすい事故などを勉強していきたいと思います。
・事業用トラックドライバー研修テキスト 分冊5.6
目次
1 トラックの特性の特性に合わせた運転
事故を起さない為には、トラックの特性に合わせた運転をしなければなりません。

トラックは車高、車両の長さ、車幅、重量も乗用車と比べるとはるかに大きい傾向にあります。
そんな特徴にあわせた運転が必要となります。
では、順をおって説明したいと思います。
(1)トラックの車高に合わせた運転


これは乗用車の運転席から見た景色と大型車の運転席から見た景色です。
トラックは座席の位置が高いので視界が広く感じますね、

なので知らず知らずのうちに前車との車間距離をつめてしまう傾向があります。とくに、交差点の信号待ちで前車が乗用車だと車間をつめてしまいがちです。


トラックはアイポイントが高いのでどおしても車間距離が狭くなりがちです。とくに、前を走る大型車との間が乗用車だと、前方の大型車に目が向いてしまいがちになり、車間が狭いので最悪、追突事故になるケースもある。
また、大型車は車体も大きいので前車のミラーに大きく映ってしまい、威圧感を与えてしまうので十分車間を空ける必要があります。
また、バン型のトラックなどは荷台の車高が高いので桁下通過に注意が必要です。
では、線路下のガードにトレーラーが衝突した動画があるので観てみましょう。
Youtube(TBSニュースより)

この動画は桁下3.7メートルのところへそれ以上の高さのトレーラーが侵入したことによる事故です。
ドライバーは自分の運転する最大高さを車検証などで知ることが必要です。また、平ボデー車は荷物によって高さが変わるので注意が必要です。
チョット余談ですが、桁下表示は、4.5メートルを下回るところは高さ表示がされています。


背が高くなると横風の影響や、重心が高くなるのでカーブでの横転にも注意しなければならない。
(22)トラックの全長に合わせた運転
大型車ともなると全長が12メートルにもなるので交差点を曲がるときなど内輪差や、オーバーハング部が外側にはみ出すいわゆるケツ振りが大きくなります。
ここで内輪差とケツ振りについての動画があるので観てみましょう。
Youtube(つばめ中央自動車学校)約2分30秒
全長の長い車両ほど内輪差や、ケツ振りが多くなり、交差点では、注意力を左右のミラーにも目を配り、ハンドル操作を除々に切ることが必要です。
トラックは内輪差による巻き込み事故が多いのも特徴です。

ちなみに、トラックの左折時は対、二輪車、右折時は、対、歩行者との事故が多い傾向にあり。
(3)トラックの車幅に合わせた運転
車幅の広いトラックは、すれ違い時や、歩行者や、自転車などの横を通過する時には十分注意が必要です。
車幅の狭い道路ですれ違う場合は、すれ違う場所と譲り合いが大切です。
ちょうど良い動画があるので観てみましょう。
Youtube(綾人サロン/大型トラックでめっちゃ狭い道路を運転するコツ)約、4分


車検証に記載の幅は、サイドミラーが含まれていないので注意!
(44)トラックの死角
トラックは、座席の位置も高いので、遠くを見渡せる半面、運転席下などは死角になる部分が多くなってしまいます。
それを補う為にミラーが複数装備されていますが、正しいミラーの角度調整や、目視することも重要です。
では、どのような死角があるのか観てみましょう。
Youtube(JTDO一般社団法人 日本トラックドライバー育成機構)約、3分30秒

忘れがちなのは、発進時、運転席真下を移す丸いアンダーミラーの確認を忘れがちです。子供だと完全に死角になってしまいます。
ここにサイドミラーに映らない死角の事故動画があるので観てみましょう。
Youtube(Oyaji drive TV/大型車の死角に入ってしまった軽自動車に恐怖の瞬間!) 約2分

このトレーラーはアンダーミラーの確認不足が原因と思われます。余裕をもった運転を心がたいものです。
最近では殆どのトラックがバックカメラが装備されていますが、意外にもバック時の接触事故も多いのも事実です。後方確認を忘れずに。

左側のセフティー窓を目隠ししたり、助手席窓をカーテンで塞いでいるドライバーを度々見かけるがあれは、NG!
2 トレーラーの特性に合わせた運転
近頃、トレーラーの需要が多くなってきています。
何故だか分かりますか?

そうです。
トレーラーは一般のトラックより荷物が沢山や、大きな物も運べれる利点があります。
しかし、メリットはそれだけではありません。

この業界の人手不足を補う為でもあります。
トレーラーなら、一人のドライバーが一度に沢山の荷物を運べば輸送量も増え、コスト削減にもつながります。
また、ドライバーの労働環境の改善にも一役あります。

トレーラーの利点は、単体の車両が連結されることにより、行先ざきの車両に連結できるので長距離輸送のドライバーの負担が軽減されます。

そうです。
中継地点でスワップすればドライバーは毎日でも家に帰ることもできます。
こんな事もあり、トレーラーは、これからの労働改善にも一役買っています。
しかし、トレーラーには特有の特性があるので運転に至っては注意が必要です。
まず、トレーラーの種類について説明します。
(1)トレーラーの種類



トレーラーと言っても幾つかの種類があり、大きく分けると、
- セミトレーラー
- フルトレーラー
- ポールトレーラー
の三種類に分けられます。
まず、セミトレーラーは一般的なタイプで、主に海上コンテナーを積載しているものを見かけます。駆動するトラクターの部分が荷台シャシーを引っ張ります。
連結操作も簡単にでき、トレーラーの中では比較的小回りが効きます。

次はフルトレーラーですが、牽引する側にも荷台があり、大型車の二倍の積載量を運ぶことが出来ます。最近では、人手不足を補う為に「ヤマト運輸」が導入したようです。
Yutube(ヤマト運輸公式チャンネル)

そうですね!小回りが出来ないところが難点です。
小回りが苦手なのはポールトレーラーも同じです。
長尺ものを積むためのトレーラーで、橋げたや、建設鋼材などを主に積んでいます。牽引側とはポールで連結しているのも特徴です。
(2)トレーラーの特性
そんな利点も多いトラーラーですが、車両特有な特性があります。
まず、車両の全長が長くなるのでカーブを曲がる時、内輪差が多くなります。
それにより、交差点などの旋回時に歩行者や、自転車などの巻き込みのリスクも増えます。
また、複合車両なので遠心力、重力が別々に働き、事故の危険性も加わります。それに加え、バック時の操縦性の難易度も高くなります。
(3)トレーラー特有の現象
先に遠心力、重力と言いましたが、これらの個々に加わる重力でトレーラー特有の現象が起きやすく運転時に注意が必要になります。
よく聞かれるのはジャックナイフ現象と言って、ジャックナイフが折りたたむ時の様子に似ていることからジャックナイフ現象と言います。
他に、トレーラースイング現象、プラウアウト現象がありますが、ブレーキング時の制動箇所によって追きる違いがあることを覚えておきましょう。
国土交通省より引用
ここにトレーラーが引き起こした事故映像があるので観てみましょう
Youtube (予想外のトレーラーやトラクタの事故ハプニングの映像集)
この動画の一部にあるように海上コンテナを積載するトレーラーは、コンテナ部分とシャシーのロックピンのかけ忘れによる事故もあります。

また、トラクターとトレーラーの連結や、切り離し作業時に暴走する事故もあるので注意が必要です。
トレーラーは、点検整備の不備から、車両火災が起きやすいのも事実です。

トレーラーは牽引車両(トラクター)は担当ドライバーは一般的に決まっていますが、非牽引車両(トレーラー)は、担当者や、中には、別会社のトレーラーを牽引するなどのケースも珍しくなく、どうしても点検整備がおろそかになりやすく、定期交換部品が交換されていない場合が多く、ブレーキの引きずりによる火災事故もあります。

ブレーキチャンバー、リレーバルブなどは定期的に要交換になっている。
3 貨物の特性を理解した運転
トラックは、空車時と荷物を積んでいる時では運動性能などに、差が生じます。例えば、空車時だったら急ブレーキで止まれたけど積載時には止まれ無かった。カーブで横転してしまったなどの危険性があります。
ここでは貨物積載時における注意することを学ぶ必要があります。
(1)貨物積載時と空車時の違い
まず、重たい物を動かすには?

それを止めるには?

空車時のトラックを止めるには、少しのブレーキ操作でトラックは止りますが、貨物積載時には、強いブレーキや、早めのブレーキ操作が必要となってきます。
また、カーブでも重たい物ほど大きな遠心力が掛かってくるので緩やかなハンドル操作が必要不可欠です。
なので、空車時と積載時のアクセル、ギヤチェンジ、ブレーキ、ハンドル操作を的確に行う必要があります。
この中で気をつけることは、スピードをコントロールすることです。

もちろん、アクセルコントロールも必要ですが、ブレーキ操作も上手に使う必要があります。
車両のブレーキはブレーキライニングや、ブレーキパットなどで回転するものを摩擦で制動力を得ています。
この、摩擦には熱が発生するのでフェード現象が起きたり、エアーの使い過ぎでブレーキを掛ける力が低下したりするのでブレーキの使い過ぎには注意が必要です。

下り坂が続くところでは、フットブレーキを酷使しない様、エンジンブレーキや、排気ブレーキ、リターダーブレーキなど併用して運転することが大事です。
2022年に起きたバス事故についての動画があるので観てみましょう。
やはり、下り坂は十分速度を落として走ることが特に積載時は必要です。

トラックの運転は、長さ、高さ、車幅などの特徴から、死角が発生しやすいうえ、荷物積載時には重量や速度によって衝撃力や、遠心力が大きくなることを忘れずに運転しなければならない。

安全運転に役立てて下さいネ。
