何時も安全運転、お疲れ様です。
そして、運行管理ご苦労様です。
今、トラックドライバーの労働時間の改善が叫ばれています。
その中で、荷待ち時間が多く、労働時間が長くなっている事も大きな要因ではないでしょうか。
※荷待ちとは積み降ろし時に先方の都合により、待機させられる時間
荷待ち時間を記録するだけでは意味が無い
ちょっと古い話ですが平成27年には平均、1.45時間の荷待ちが発生していたと云うデーターが国土交通省の調べに出ています。
平成29年7月から荷主等の都合で荷待ちが30分以上発生した場合、乗務記録に記載するように定められました。
しかし、半年以上経ちますが、目に見えた改善が有りません。
要するに記載したデーターを元に、運送会社が荷主等に交渉する材料として使いなさいと云う、国からの通達で有り、記載しただけでは何の効力も発揮していません。
紙、パルプ関係は荷待ち時間が多い
私のところは紙関係(段ボール原紙)の輸送を扱っており、当たり前の様に荷待ちが発生しています。
多い時には4時間~5時間の時も有ります。
もう、ドライバーも半ば、あきらめムードが漂っています。
受付の時点では納品先も決まっていない状態です。
夏の炎天下で待機させられ、熱中症になるドライバーも・・・
何度も、待機時間のデーターを持って荷主(元受)へ足を運んでも改善され無いのが現状です。
なぜ、荷待ち時間が発生するのか?
私がまだ、現役で乗務していた頃(30年以上昔)は前日に行き先が決まっており、翌日が地場配達なら早く帰社出来、会社の同僚とソフトボールの試合をしたりする時間が有りました。
世の中が段々と便利になり、利便性が求められる様になってきました。
その利便性のしわ寄せが今のトラックドライバーに振りかかっている様に思います。
大手紙業界では、大半は翌日配達の荷物は、今日の午後から行き先や明細が決まってきます。
なぜ、もっと早くに出荷明細などが決まってこないのか?
- 得意先からのオーダーが遅い
- 製紙会社の営業が他社より多く売り込む為にギリギリまで注文を受けている
- 大手になると、格地方の工場の在庫調査などの振り分けに時間が掛かる
- 積込み工場で倉庫の在庫を確認して、何処で積込むのか振り分けに時間が掛かる
などが挙げられます。
あと、大きな問題として、出荷明細が決まっても積込みの順番待ちが有ります。
積込みの順番は受付の順番で有り、すなわち、受付が早いトラックから積込みが開始されます。
出荷明細が出る時間が重なり、積込みが殺到し、積込み能力のキャパオーバーになってしまいます。
早く受付をする為に、昼食は途中で摂らずに走るドライバーがいる事も事実です。
さいごに
荷待ちが多い分野は加工食品、建設資材、紙パルプ、飲料系などが順位として挙げられます。
この関係を扱っている運送会社は、ドライバーが不足している問題にさらに、拍車が掛かっております。
いま、モーダルシフトが注目されています。
現在の国内の物流の割合はトラック輸送が全体の90%を占めています。
その割合を少しでも貨車輸送などに変えていくと云う働きです。
貨車輸送は時間がかかり過ぎてしまい、発注してから、荷物が早く届くトラック輸送とは比べものになりません。
確かにトラック輸送は余程、遠方で無い限り翌日に荷物が届きます。しかし、ドライバーの休息時間が削られる様な、荷主から利便性を求めてはいけません。
大手企業となると、荷主からの元受は企業の子会社(物流部門)であり、我々、下請けが元受に改善を要求しても中々、話が進んで行かないのが現状です。
運送業界は、コンプライアンスが求められており、それを荷主側に理解を求めなければいけません。がしかし、限界があり,もっと国の機関が働きかけて行って欲しいものです。
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